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「ドキュメンタリーは新しい視点に目覚めさせるべきだ」 巨匠が語るドキュメンタリー制作の在り方

「ドキュメンタリーは新しい視点に目覚めさせるべきだ」 巨匠が語るドキュメンタリー制作の在り方

Posted August. 23, 2018 10:07,   

Updated August. 23, 2018 10:07

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「リアリティを追っていくと、どのような新しい事実が飛び出すのかわからない。最初の構想と完全に変わったりしますね。それがドキュメンタリーの魅力です」

「ドキュメンタリーの巨匠」ゴードン・クイーン監督(76)が22日、ソウル麻浦区(マポグ)のホテルで語った。彼は20日から26日まで開かれるEBS国際ドキュメンタリー映画祭(EIDF)の審査委員長の資格で来韓した。クイーン監督は53年間、「ア・グッドマン」(2011年)、「ボイコット1963」(2017年)など数々の作品を演出した。映画制作会社「カルテムクィーンフィルム」の創設者でもある。彼は4人の審査員と一緒に、コンペティション部門「フェスティバルチョイス」にノミネートされた11本の作品を審査する。

クイーン監督は、「ドキュメンタリーは、民主主義で重要な役割を担っている」とし、「わずかな物語でも、観客が忘れていた感情を感じて、新しい視点に目覚めるようにしなければならない」と述べた。その一方で、彼は「『しなければならない』とストレートにさらすよりは、ストーリーや人物を通じて自然にメッセージを伝えることが、ドキュメンタリーのストーリーテリング手法だ」と付け加えた。

「編集室で若い監督たちと仕事する時、『教育的なメッセージを気にせず、どんな事件があり、どのような人物がいるのか?』という基本的な質問を投げかけます。物語の中にテーマ意識が溶け込まなければならないと思います」

サンダンス映画祭などで審査員として活動していた彼は、審査基準として「情熱」を強調した。クイーン監督は、「なぜその話をしなければならないし、なぜ重要なのか、その話をする人として本人が適切かどうか、監督が熟慮する時間が必要だ」とした。情熱がなければ、新しい物語も出てこない。彼は「最近は難民など国際的な問題を扱った作品が多いが、実は30年前もこのような問題はあった」とし、「監督は観客が知らない物語を取り出すことができなければならない」と語った。

2004年に始まって今年で15回目を迎えるEIDFは、世界33カ国の72本の作品をEBSチャンネルとVODサービスで提供する。クイーン監督は、「作品が公共放送で放映されるという点で、EIDFは他の映画祭とは異なる」とし、「EIDFのように、より多くの視聴者が作品を見ることができるようにプラットフォームがさらに活性化しなければならない」と強調した。


申圭鎭 newjin@donga.com