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ピザを注文したら30分後にロボットが届けに来た

ピザを注文したら30分後にロボットが届けに来た

Posted August. 08, 2018 09:36,   

Updated August. 08, 2018 09:36

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「一体このちび車の正体は何ですか?」

3日、米カリフォルニア州バークレー市に成人の膝の高さぐらいの自動車が走り回ると、人々は不思議そうにスマートフォンを取り出してしきりに写真を撮りながら聞き始めた。四輪で歩道を走り回るこの自動車の正体は、シリコンバレーのスタートアップ「キウイキャンパス」が作った料理宅配ロボット。ロボットは、前面に搭載されたスクリーンを通じて笑顔を浮かべながら道を探しまわった。

ロボットによる宅配サービスは、スマートフォンのアプリケーション(アプリ)から注文できる。アプリに登録された飲食店で記者が直接メニューを選んだ後、届ける場所を地図で選ぶと、約30分後に到着するというテキストメッセージが飛んできた。キウイキャンパスのスタッフが注文料理を買って待機していたロボットに料理を入れれば、ロボットが自ら配達場所まで探していく。お勘定や料理の購入などは人間が行い、ロボットは配達だけをする分業システムだ。

ロボットの外見はシンプルなデザインだが、内部は先端技術で詰まっている。前後の6つのカメラで道路事情を確認しながら走行する。走行速度は成人の歩行と同様の時速約5キロ。人工知能(AI)とディープラーニングを組み合わせて信号の色を区別することができ、人や自転車、障害物などを事前に把握して避けて通ることができる。キウイキャンパス製品統括担当のサーシャ・イアチェニア氏は記者と会った席で、「ロボットは前を見ながら自分で状況を判断して学習していく」とし、「配達回数が今年だけで1万回を超えたことで、ロボットの動きがますます精巧になっている」と説明した。

シリコンバレーでは、毎年30%以上伸びている料理宅配市場を獲得するためのロボットメーカー同士の競争が激しい。車輪6個を取り付けた自律走行型配達ロボットを作ったスターシップテクノロジーズは今まで、世界100都市で試験走行を行い、今では米サンノゼの一部の地域で試験運用している。米ロボットメーカー・マーベルは、料理宅配会社「イート24」や「ドアダッシュ」などと手を組んで、自社が開発した配達ロボットを実際町中でテストしたこともある。マーベルは最近、中国の電子商取引企業テンセントなどから1000万ドル(約112億ウォン)の投資誘致に成功した。マーベルのマット・ダラニー最高経営責任者(CEO)は、情報技術(IT)専門メディア・テッククランチとのインタビューで、「始まりは食べ物だったが、これからは食料品や医薬品、小包配達などへと事業領域を広げていく計画だ」と明らかにした。

食べ物を配達するロボットの最大のメリットは安価な配達料である。人が直接配達すれば1件当たりに平均5ドルほどを払わなければならないが、ロボット配達は3ドルほどで済む。キウイキャンパスは早ければ来年ごろロボットの数を増やして、配達料を1ドルにまで下げる計画だ。

しかし、まだ技術的な限界はある。記者が4時間ほど配達ロボットの後をついて回った結果、ロボットが目的地を正確に認識できず、道の向かい側に間違って届けたり、車輪が溝にはまって抜け出せなかったこともあった。ロボットがスピードを出して人とぶつかったり、歩道の真ん中で突然止まって、道を遮ることもあった。通り過ぎる人々のうち何人かは、「車輪のついたロボットが歩道に通ってもいいのか」と顔をしかめたりもした。このような問題のため、サンフランシスコ市は昨年12月から、料理配達ロボットを規制している。市政府は、都心で走行できる配達ロボットの数を、1社あたりに最大3台と限定し、歩行者密集地域は地図に別途印をつけてロボット走行を完全に禁じている。


シリコンバレー=ファン・ギュラク特派員 rocku@donga.com