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肥満税

Posted August. 08, 2018 09:36,   

Updated August. 08, 2018 09:36

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経済学者トービンの名から取ったトービン税のように、経済学者ピグーの名前からとったピグー税がある。ピグー税とは経済学でいう外部効果(externality)について課す税金だ。環境汚染が代表的な外部効果である。工場から排出されるばい煙は環境を汚染させて、すべての人に被害を与えるが、その被害に対する補償費用はメーカーの生産コストには含まれていない。だから、政府が代わりに汚染税を課して補償費用の支払を受ける。当然補償すべき被害が市場内部で計算されていないため、これを外部効果という。

◆煙草税や肥満税もピグー税と言える。タバコを吸ったり太る飲食物を食べて病気になった人が増えれば、健康保険基金から支出するお金が増える外部効果が発生する。それに対する補償費用を誰かが払わなければならないとするなら、タバコや食飲料を生産するメーカーしかない。タバコ税に比べると肥満税は割合最近に課せられ始めたピグー税と言える。デンマークが2011年10月、世界で初めて導入後、欧州、米国を中心に炭酸飲料やファーストフードなど、肥満を誘発する食品に課税する政策が相次いでいる。

◆保健福祉部は先月26日、「国家肥満管理総合対策」を確定した。その対策の一つが、暴食を助長する「モクバン(グルメ番組という意)」のモニタリングを強化することだ。就任後、「国家主義」を話題のように掲げている野党自由韓国党の金秉準(キム・ビョンジュン)革新非常対策委員長は、「国がモクバンまで規制するというのか」と、代表的国家主義の事例として批判した。政府は、モクバンを規制するということではないと一歩下がったが、別の対策として、肥満税が検討されているという。

◆ピグー税は、その負担が結局消費者に回される。メーカーは、煙草税や肥満税を課されるとタバコや飲食物の値上げに踏み切る。もちろん価格が上がれば、タバコや砂糖、脂肪などの需要が減る効果が発生する。しかし、タバコからもわかるように、価格が上がっても、それに比例して需要は減らない。だから、ピグー税については、その負担がメーカーにそっくり回らなく、政府が簡単に税収を増やす手段になっているという批判も少なくない。


ソン・ピョンイン論説委員 pisong@donga.com