Go to contents

猛暑、世界的な小麦の価格急騰なるか

Posted August. 08, 2018 09:37,   

Updated August. 08, 2018 09:37

한국어

世界を襲った記録的な猛暑で、世界各地の小麦栽培地が被害を受けている。欧州連合(EU)や中国、インド、ロシアなど主要な小麦生産国が今年収穫量の見通しを一斉に引き下げている。中東やアフリカの貧困国の数千人の命を奪った2007年の「世界的な穀物大乱」の水準まで小麦の価格が急騰する可能性も提起されている。

 

欧州穀物市場戦略研究所のストラテジ・グレインスは、世界最大の小麦の生産地域であるEU 28ヵ国の今年の総収穫量が1億3000万トン以下まで落ち込むと予想した。さらに「今年のEUの小麦収穫量は、2012年以来の最低値を記録すると予想される」と明らかにした。ドイツ、フランス、英国は、今夏の気温が40℃を超える猛暑と干ばつに苦しみ、農家の被害につながった。欧州穀物研究所のアグリテルは、「今年のドイツの小麦の収穫量は最近5年間の平均値より16%減少する見通し」と明らかにした。7月の降水量が平年の10~15%しかないほど干ばつに苦しんだスウェーデンやこの2ヵ月間雨が降っていない英国も5年内で最も低い収穫量を記録すると予想されている。

ロイターをはじめとする外信は、このような状況について、「まるで世界的な食糧危機を招いた2007年の『穀物大乱』を想起させる」と伝えた。2007年当時、主要な穀物生産国は異常気象で小麦や麦の収穫量が減少すると、輸出量を制限したり輸出禁止を宣言した。このため世界の穀物価格が2~3倍急騰し、中東やアフリカなどの貧困国が食糧不足で苦しんだ。実際、すでに欧州内では小麦の価格が上がっている。今月初め、欧州産の小麦価格は1トン248ドルだったが、これは最近5年間で最高の価格で、3週間で20%近く上昇した。

小麦の価格が世界的に上昇の動きを見せると、小麦を輸入に依存する国々は非常事態となった。世界最大の小麦輸入国であるエジプトが代表的だ。小麦粉を練ってかまどで焼く「アイシ」をほぼ毎食食べるエジプト人にとって、小麦の価格急騰は食糧安全保障に直結する問題だからだ。エジプトは年間の小麦消費量の約60%を輸入に依存している。エジプト政府は、小麦の自給力を高めるために今年計136万平方メートルで小麦を栽培した。2016年(121万平方メートル)よりも5万平方メートル拡大したのだ。しかし、エジプトも猛暑の威力を避けることはできず、収穫量が大幅に落ちた。EUや中国などの小麦の収穫量が減少したのに反して、猛暑の被害が相対的に小さかった米国は、今年大きな反射利益を得る見通しだ。米市場調査企業などは、「今年11月には(小麦の価格がさらに上がり)米国の農民には信じられない機会が訪れるだろう」と期待感を示した。


丘佳仁 comedy9@donga.com · 徐東一 dong@donga.com