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トランプ氏の親書を渡して制裁を強める米国、金正恩氏は無駄な希望を捨てよ

トランプ氏の親書を渡して制裁を強める米国、金正恩氏は無駄な希望を捨てよ

Posted August. 06, 2018 09:12,   

Updated August. 06, 2018 09:12

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4日に閉幕したシンガポールでの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)で、南北、米朝外相会談は実現しなかった。北朝鮮が会談を拒否したためだ。米国は、北朝鮮の非核化なく制裁の解除はありえないとし、新規の制裁措置を発表するなど、圧力をさらに強めた。米朝間の膠着状態を解くための韓国政府の仲裁外交の努力も無駄に終わった。

北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は今回のARFで11ヵ国の外相と会談しながらも、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官、ポンペオ米国務長官との会談は拒否した。会議場の周辺での短い対面が全てだった。このような中、米国はトランプ大統領の親書を北朝鮮側に伝えた。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が米兵の遺骨の返還の時に送った親書に対する返書だ。非核化交渉は一歩も進展を見ることができていないが、首脳間の書信交換で意思疎通の糸だけは維持している。

米国は、ARF加盟国に北朝鮮の非核化に向けた制裁継続の重要性を周知させることに力を入れた。ポンペオ氏はロシアなどの制裁違反を警告し、国際社会の団結した行動を強調した。米財務省も、北朝鮮との不法金融活動に関わった疑いでロシアの銀行など4団体を制裁リストに追加した。トランプ氏が6月初めに「最大の圧力」という表現を自制するとして中止していた追加制裁が2ヵ月ぶりに発表されたのだ。外信には、北朝鮮の制裁違反と核・ミサイル活動を警告する国連の対北制裁委の報告書が公開された。

にもかかわらず、北朝鮮は非核化実務協議を拒否し、「独特の方式」の再稼働に固執している。米朝の第2回首脳会談を通じてトップダウン方式で膠着状態を突破する考えだ。李氏が、「米国内で首脳部の意図とは違って古いことに戻ろうとする試みを表出している」と不満を示したのも、このような脈絡からだ。しかし、米国が非核化の進展もなく首脳外交を稼動するわけがない。米国は、大統領と政権を分けて強弱両面で対応している。親書の交換で局面を維持しつつ、制裁の強化で北朝鮮を締めつけているのだ。

このような米朝間の神経戦は長くは続かないだろう。北朝鮮がいくら制裁の穴を広げようとしても、国際社会全般の制裁の網を突き抜けるには限界があり、米国も北朝鮮の核・ミサイル能力の強化をいつまで手をこまねいて見ていることはできない。米朝間で近く、対決であれ妥結であれなされるほかない。にもかかわらず、南北関係の論議から自由でない韓国政府だけが焦っている。このような時であればあるほど、韓米協力を強化して、北朝鮮に無駄な期待を捨てさせなければならない。