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英単語の誕生を追跡する興味深い旅

Posted August. 04, 2018 08:46,   

Updated August. 04, 2018 08:46

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辞書と言えば、机や書棚、あるいはコンピュータの中に初めから存在すると考えがちだ。しかし、辞書も誰かが研究して書いた本だ。中でも世界で最も権威のある辞書と評価される「オックスフォード英語辞典(OED)」。この辞書を37年間作成してきた著者が誕生と生存、消滅まで辞書の中の単語の歴史を解きほどく。

「歴史辞典」と呼ばれるオックスフォード英語辞典は、単に単語の意味だけでなく、歴史的な発達の経緯や詳細な用法が含まれていることで有名だ。1884年の第1巻を皮切りに1928年に第12巻を出版し、初版が完刊した後も持続的に改正・増補作業を続けてきた。現在、2万1728ページ、約60万の単語を含んでいる。著者は、1976年にオックスフォード大学出版社辞典部に入社し、20年余り編集長を務め、辞書の3版発行とオンライン版の出版を率いた。

『単語探偵(The Word Detective)』は、探偵のように単語を収集していく辞書編集者の興味深い世界が描かれる。スーパーマーケットで外国の製品があると、市民は試しに購入してみるだろう。しかし、著者はスーパー管理者に食品の目録を要請し、製品の歴史と流通経路を把握する。ハロウミ(halloumi・キプロスの羊乳チーズ)やセミフレッド(semifreddo・半解凍状態のアイスクリームケーキ)などを辞書に載せた背景だ。

単語の誕生を追跡する姿は一つの興味深い歴史書を見るようだ。大型バスを意味する英単語「juggernaut」は、17世紀にインドに渡った英国人の異色の経験に由来する。当時、インド・ベンガル湾付近ではヒンズー教の神「ビシュヌ」の銅像を巨大な車に乗せて運ぶ祭りが流行した。4階建の建物ほどの銅像の大きさに驚いた英国人が、ビシュヌのヒンディー語の名前「Jagannath」から取って、道路を走る大型車を「juggernaut」と呼んだのだ。

オックスフォード英語辞典によると、形容詞「inviting」は「招く」という意味と共に「誘惑的」、 「魅力的」という意味もあるという。同書は、辞書の定義のように英単語の歴史の魅力的な現場に読者を招待する。


柳原模 onemore@donga.com