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北朝鮮、山陰洞ミサイル工場でICBM開発

北朝鮮、山陰洞ミサイル工場でICBM開発

Posted August. 01, 2018 09:38,   

Updated August. 01, 2018 09:38

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31日に公開された北朝鮮山陰洞(サンウムドン)の大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発の現場は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長がその気になればワシントンやニューヨークなど米東部を攻撃できる大陸間弾道ミサイルを製造していることを示す。非核化になかなかスピードを出せずにいるトランプ政権は、「それ見ろ」と再び「最終的で完全に検証される非核化(FFVD)」を強調し、北朝鮮への圧力に出るものとみえる。正恩氏もICBM開発現場を通じて非核化の行程表が長く険しくならざるを得ないことを逆説的に見せており、米朝間の神経戦は当分の間、さらに激しく展開するとみえる。

●非核化どころか米本土攻撃可能なICBM開発を継続

米紙ワシントン・ポストを通じて同日公開された衛星写真には、ICBMの移動に使われる赤のトレーラなどミサイル工場の稼動情況がうかがえる。米ミドルベリー国際大学院モントレー校不拡散研究センターのジェフリー・ルイス所長は、「商業用衛星写真を見ると、コンテナ貨物車が毎日、山陰洞の基地を出入りしている。これはミサイル製造が依然として行われているという意味」とし、「北朝鮮は核放棄のための交渉ではなく核認定のために交渉している」と指摘した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも約40枚の衛星写真の分析を基に、同じミサイル生産工場に最近、新しい建物ができたと報じた。北朝鮮当局が事務所と博物館と推定される2つの建物を新たに建設したが、建物が入った場所は米朝首脳会談が行われる直前の6月5日までは空いていた。同紙は、「両国の首脳が会った後も北朝鮮がミサイル施設の拡張を止めていないことを示す」と分析した。

ミサイル専門家たちは、北朝鮮が昨年、「火星(ファソン)15」の発射などを通じてエンジン技術は確保したが、運航システムのような高度技術の分野でさらに開発と確認が必要な状況と見ている。北朝鮮が、ICBMのほかに潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)も性能を高めているという分析もある。エドワード・マーキー民主党上院議員は25日、上院公聴会で、「北朝鮮がSLBMの開発にも拍車をかけているという情報が相次いでいる」とし、事実確認を要請したが、ポンペオ国務長官は「話せない」と答えた。

●米朝、互いを圧迫する交渉カード

米本土まで到達可能なICBMは、米国としては見過ごせない脅威だ。山陰洞で開発された火星15だけでも射程距離が1万3千キロあり、米東部まで攻撃可能だ。4月27日に行われたシンガポール首脳会談直後、「もはや北朝鮮からの核脅威はない」と豪語したトランプ大統領は面目を失った。

 

大統領外交安保首席秘書官を務めた千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島未来フォーラム理事長は、「北朝鮮は、実験は中止したもののミサイル開発は継続してきた」とし、「非核化議論の過程で廃棄の見返りに補償を受けることができる核兵器を最大限多く作り、交渉道具に使おうとしている」と診断した。正恩氏は「完全な非核化」が言及された首脳会談合意文に署名したが、これを直接言及したり核開発中止の意思を明らかにしたことは一度もない。

 

米国は、各種偵察資産を通じて、北朝鮮の核とミサイル開発の動きを綿密に調べるという。ポンペオ氏は25日、上院公聴会で、「北朝鮮が核分裂性物質の生産を続けている」と明らかにした。しかし、今週シンガポールで開かれるASEAN地域フォーラム(ARF)を目前にした時に関連動向が明るみになったため、米国の北朝鮮に対する圧力は強まるものと予想される。

また北朝鮮も、米国が各種偵察資産を活用してこのような動きをすでに把握していることを知っていた可能性が高い。にもかかわらずICBMの開発を進め、これを事実上露出させたことは、「交渉がうまくいかなければいつでも米本土を攻撃できる」というメッセージを送る意図があると専門家たちは分析する。

峨山(アサン)政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は、「北朝鮮と米国が互いに相手の動きを読んでいると見るべきだ」とし、「互いを圧迫する交渉カードとして直接的な軍事的脅威を使っている」と説明した。

ワシントンのある消息筋は、「米国が非核化交渉には積極的に出るだろう。北朝鮮が非核化に消極的であることを国際社会に強調し、様々な選択肢を確保する戦略で新たに取っている」と説明した。北朝鮮が今月末までに進展した非核化措置を行わない場合、韓米合同軍事演習の再開などのカードが使えるよう大義名分を積み上げているという分析も出ている。


イ・ジョンウン記者 ワシントン=パク・ジョンフン特派員 lightee@donga.com · sunshade@donga.com