Go to contents

核談判の主導権を握った金正恩氏の「駆け引き術」

核談判の主導権を握った金正恩氏の「駆け引き術」

Posted April. 23, 2018 08:28,   

Updated April. 23, 2018 08:28

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が、南北首脳会談を一週間後に控え、核と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験中止を宣言した。まだ、米本土に到達する核武力の完成が客観的に検証されておらず、制裁の中、経済状況も悪化しているが、「並進路線(核と経済の同時発展)が勝利した」と宣言し、「経済中心」への政策転換に出ると宣言したのだ。

北朝鮮の労働新聞は21日、前日に開催された党中央委第7期3回全員会議の内容を伝え、「金正恩同志が並進路線の偉大な勝利を誇り高く宣言し、党の新たな戦略的路線を提示された」と伝えた。同日採択された決定書を通じて、北朝鮮は21日から核とICBMの実験中止とともに「北部核試験場」(吉州郡豊渓里核実験場)廃棄を予告した。2013年3月の全員会議採択後、金正恩氏のトーレードマークであった並進路線は5年と1ヵ月で幕を下ろした。

金正恩氏は、「並進路線が偉大な勝利で結束したように、経済建設に総力を集中する新たな戦略的路線も必ず勝利するだろう」とし、経済発展に集中する意向を示唆した。また、北朝鮮は、非核化に対する言及なく、「(北朝鮮に対する)核の脅威や核挑発がない限り、核兵器を絶対に使わない。いかなる場合であれ核兵器と核技術を移転しない」とし、関連国際法規を順守し、核を保有する意思を明確にした。北朝鮮が、南北、米朝、中朝リレー首脳会談を控え、核保有国の権利を強調し、軍縮交渉による補償など反対給付探しに出たという分析が出ている。

トランプ米大統領は、金正恩氏のメッセージが公開され、1時間後にツイッターに、「北朝鮮と全世界に非常に良いニュースで大きな進展だ」とし、「首脳会談を楽しみにしている」と書いた。米国務長官に指名されたポンペオ氏が今月初め、金正恩氏に会った後、北朝鮮が米本土を攻撃できるICBM高度化を中止するといったことを評価し、米朝首脳会談は役立つと再確認したのだ。

しかし、警戒する声も起こっている。米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)で朝鮮部長を務めるビクター・チャ氏は21日(現地時間)、米ネットサイト「エクシオス」のインタビューで、「(北朝鮮の今回の発表は)非核化宣言ではなく、北朝鮮が責任ある核兵器保有国になれないという宣言」と指摘した。

大統領府は、首脳会談に及ぼす影響などに対する分析に集中している。尹永燦(ユン・ヨンチャン)大統領国民疎通首席秘書官は21日、「近くある南北、米朝首脳会談の成功に向けた非常に肯定的な環境づくりに貢献する」という立場を明らかにした。


黃仁贊 hic@donga.com · 朴湧 parky@donga.com