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「ペンス・金与正」会談をキャンセルした北朝鮮、態度変化だけが「機会」を生かせる

「ペンス・金与正」会談をキャンセルした北朝鮮、態度変化だけが「機会」を生かせる

Posted February. 22, 2018 09:14,   

Updated February. 22, 2018 09:14

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平昌(ピョンチャン)五輪開会式に出席するために訪韓したペンス米副大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン)氏らと秘密裏に会談する予定だったが、北朝鮮側が直前に中止を申し入れたため実現しなかったことが明らかになった。米朝の最高位級会談は北朝鮮が提案し、韓国政府の仲裁で開会式翌日の10日午後、大統領府で行われる予定だったが、会談2時間前、北朝鮮側が一方的に中止を申し入れたという。米国務省は21日、このような内容の米紙ワシントン・ポストの報道内容を確認し、「北朝鮮がこの機会をつかむことができなかったことを遺憾に思う」と述べた。

米朝間の大統領府会談が成功直前まで行ったということは、双方が互いに非難と脅威を浴びせながらも水面下の接触による劇的な妥協を模索していることを示す。公開的な「言葉の戦争」の中でも秘密外交は動作していたのだ。今後も米朝対話に向けたこのような試みは続く可能性がある。しかし、対話の突破口も開くことができない現実で、非核化の議論そのものを拒否する北朝鮮との対話が果たして可能なのか問い直す契機でもある。

北朝鮮は会談予定日の午前、会談は有効だとしていたが、会談直前にペンス氏の言動を問題視して中止した。ペンス氏が哨戒鑑「天安(チョンアン)」を訪れたり脱北者に会ったりするなど北朝鮮への圧力を続けたことで、北朝鮮としては会っても得るものがないと判断したのだろう。特に前日の開会式で金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長とは握手すらしなかったペンス氏の態度について報告を受けた金正恩氏が最終的に中止を指示したのかも知れない。

北朝鮮としては、苦労して設けられた機会をなげうつ格好となった。外交において最初の出会いは、各自が望む最大値を提示し、譲れないと言い張るものだ。その出会いを機に対話を始めることができる。にもかかわらず北朝鮮はそれすらも拒否した。一度逃した機会を再びつかむことは容易ではないだろう。ただ、米国は本格的な対話に先立つ予備的協議の扉を開いている。金正恩氏はこの機会を逃してはならない。

大統領府会談は、韓国政府が米朝対話に弾みをつけるために企画し、双方にもちかけて設けたものだ。初の機会は失敗に終わったが仲裁外交は続くだろう。政府は、南北対話の窓口を通じて北朝鮮に非核化の決断を促し、米国と一層緊密に協力しなければならない。23日はトランプ大統領の娘のイバンカ大統領上級顧問が韓国を訪れる。イバンカ氏は突拍子もないトランプ政策を緩和・調整する役割をしているという。韓国政府の外交力によっては「イバンカ・モメンタム」も期待できるかもしれない。