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[社説]「恐るべき歴史捏造」中国東北工程の完結

[社説]「恐るべき歴史捏造」中国東北工程の完結

Posted January. 27, 2007 07:24,   

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最近中国を訪れた李澤徽(イ・テクフィ)前ソウル教育大学総長は、瀋陽・遼寧省の博物館で、「遼河文明展」を観覧し、大きな衝撃を受けた。古朝鮮と高句麗、渤海が中国の歴史だと露骨に宣伝していたためだ。主催側は、これら三国が漢族と朝鮮族が一緒に暮らした国家であり、漢族が建てた国に相違ないという荒唐無稽な主張まで並べ立てたという。

このようなとんでもない歴史捏造に韓国政府が反論ひとつできずにいる中、中国政府の東北工程が今月末に完結する。5年間の東北工程を通じて行われた107の研究テーマのうち56が韓国関連のテーマというのを見れば、韓国古代史を丸ごと変えようとする中国の執拗さがうかがえる。中国の「歴史侵奪」は、韓国の歴史的ルーツとアイデンティティを否定するものであり、中華の辺境に格下げし、状況によっては再び属国化する足場にしようという意図が読み取れる。

韓半島の急変事態を念頭に置いた対応策の一環という指摘も、一脈相通じる。北朝鮮の崩壊で北朝鮮に対する管轄権問題が起こる場合、歴史的縁故を主張することで、韓国や米国の進入を阻止し、韓半島における優越的地位を固める考えであるというのが、共通の観測である。これは、最近になって中国が漢江(ハンガン)以北も自国の領土だったと主張していることからも、容易に類推できる。

東北工程の完結後の状況はもっと深刻だ。高句麗研究会のソ・ギルス理事長は、29日に主催するセミナーで、「中国は、韓国と摩擦をもたらした2004年以降、韓国関連の研究をほぼ中断したが、その代わり密かに地方政府で続けている」と発表する予定だ。その根拠として、地方政府である吉林省の社会科学院が学術誌『東北史地』を創刊し、この3年間で106編もの韓国関連論文を掲載したことを挙げている。

韓国の学界は、中国中央政府主導の東北工程が完結される状況で、韓国政府にどのような対策があるのか質している。地方政府にボールが移ったと手をこまねいて見ているのか。そのようでは、高句麗以降の韓半島の歴史も中国史の一部と主張する日が来るかもしれない。中国に対する漠然とした幻想を捨て、周辺4大国との関係や、これが韓半島の運命に及ぼす影響を冷徹に考えなければならないもう一つの理由である。