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梨泰院惨事、記憶して予防する準備もなく過ごした1ヵ月

梨泰院惨事、記憶して予防する準備もなく過ごした1ヵ月

Posted November. 29, 2022 08:37,   

Updated November. 29, 2022 08:37

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10・29梨泰院(イテウォン)ハロウィーン惨事が発生して1ヵ月が過ぎた。外部の攻撃ではなく、単なる群衆管理の失敗で、ソウルの真ん中で158人が押し潰されて死に、196人が負傷した。惨事現場に設けられた追悼空間には、とんでもない犠牲を悼む遺族と市民の足が続いている。

惨事発生から1ヵ月が経っても重い心が軽くならない理由は、災害の残酷さのためだけではない。後進的な災害の発生後、対処する過程においても失敗しているという無力感のためだ。警察特別捜査本部は500人以上の捜査人員を動員したというが、事故を予見する兆候を無視した理由や人命救助のゴールデンタイムを逃した経緯は依然としてわからない。捜査が遅れると、政府の後続措置も遅れるしかない。信頼できる捜査で惨事の直接的な原因を解明し、責任者にそれ相応の罰を下すことが災害回復の基礎であることを肝に銘じなければならない。

政府の国民保護の失敗で大型の人命被害が発生したにもかかわらず、捜査結果を待つという名分で誰も責任を取らずにいることも、政府に対する失望と不信を増大させる要因だ。主務長官の行政安全部の李祥敏(イ・サンミン)長官は、「事故収拾が優先だ」として辞任要求を一蹴している。尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長とキム・グァンホ・ソウル警察庁長は、大統領よりも事故のニュースを遅れて認知した事実が明らかになったが、これまで席を守っている。龍山区の朴熙英(パク・ヒヨン)(ヨンサン)区長は、惨事前後の行動について嘘をついて責任から避けようとする姿まで見せた。だから大統領の度重なる謝罪にも、遺族たちは依然として「心からの」謝罪を要求している。惨事の政治的・道義的責任を負わなければならない人々が、むしろ遺族の傷を大きくし真相解明を妨害しているのではないかと自問しなければならない。

与野党は、久しぶりにハロウィーン惨事の国政調査に合意したが、李長官の解任をめぐって「国政調査政局」の主導権を握ろうとする力比べからしている。8年前のセウォル号惨事の時も政争にだけ熱を上げ、90日間の国政調査が白紙化した。だから似たような災害が繰り返されるのではないか。国政調査は、責任者処罰で終わる捜査とは違う。ハロウィーン惨事に対する共通の記憶を持てるように、あの日の真相を明らかにすることから進んで、予防と対応、救助過程全般を復記し、なぜ防げず、さらに生かすことができなかったのか、構造的な原因を突き止め、再発を防ぐための対策まで打ち出す義務がある。