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聴聞報告書なく任命された検事総長、「中立」と「公正」の責任は重い

聴聞報告書なく任命された検事総長、「中立」と「公正」の責任は重い

Posted September. 17, 2022 09:09,   

Updated September. 17, 2022 09:09

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李沅ソク(イ・ウォンソク)新検事総長が16日、就任した。今月5日に国会人事聴聞会が開かれたが、野党の反対で人事聴聞報告書が採択されていない状況で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が任命状を授与した。5月6日に金オ洙(キム・オス)前検事総長が辞任して133日が経った。

検事総長がいない間、韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官の主導で検察人事は終わった。大検察庁の捜査指揮ラインから一線の検察庁の実務陣まで、いわゆる「尹錫悦師団」検事で満たされた。李氏がこれまで大検察庁次長と検事総長職務代理を務めたものの、職務代理の身分で人事に十分に意見を出せたのか疑問だ。李氏が「植物総長」の懸念から脱するには、大検察庁次長など空席の高検長級人事から自身の意見を実質的に反映させ、組織の掌握力を高めなければならない。

さらに重要なことは、検察の中立性と公正性を守ることだ。最大野党「共に民主党」が聴聞報告書の採択を拒否した理由は、李氏が尹大統領に近いため政治的中立性が疑われるということだった。李氏は、「私的な席で兄さんと呼んだことはない」と尹大統領との個人的な親交を否定したが、尹大統領が検事総長だった時に大検察庁企画調整部長、ソウル中央地検長だった時に特捜第1部長を務め、共に働いたという事実がある。

さらに最近、民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表に対する検察の捜査がスピードを上げ、「野党弾圧」論議が起きており、李氏の肩は重い。検察は李代表を公職選挙法違反で起訴したのに続き、城南(ソンナム)FC後援金疑惑、弁護士費代納疑惑などに対する捜査も本格化している。李代表の妻の金恵景(キム・ヘギョン)氏も法人カード流用疑惑と関連して検察の調査を受けた。脱北朝鮮漁民強制送還疑惑など文在寅(ムン・ジェイン)政府で起こった事件に対する捜査も進んでいる。

一方、大統領の(キム・ゴンヒ)夫人に関連する検察捜査の進行は遅い。ドイツモーターズの株価操作事件の場合、主犯らは昨年末に起訴されたが、関与疑惑が起こった金氏はまだ調査も受けていない。ほとんどの世論調査で、野党が提出した金夫人関連事件に対する特検法案に賛成する回答が半数を超える。それほど検察捜査に対する国民の信頼は高くない。李氏は、就任の言葉で、「法執行には例外も恩恵も聖域もあり得ない」と述べた。その所信を実践で立証し、中立性と公平性に対する懸念を払拭させる責任が李氏にある。