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半地下

Posted August. 11, 2022 09:20,   

Updated August. 11, 2022 09:20

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首都圏と中部地方を襲った記録的な豪雨で、ソウル冠岳区新林洞(クァンアクク・シンリムドン)の半地下で暮らす一家3人が被害に遭った。水が一気に入り込む半地下から抜け出せず、40代の姉妹と13歳の少女が命を失った。姉妹のうち1人は発達障害者だった。銅雀区上道洞(トンジャクク・サンドドン)の半地下住宅でも50代の女性が死亡した。

半地下で暮らしていた犠牲者は、最後まで必死に脱出を試みたことだろう。水が上がってくる恐怖と溺死の苦しみでもがいたことだろう。隣人が防犯窓を壊そうとしたが、救うことができなかった。水圧のため玄関のドアが開かず、半地下で救助を待ち続けて亡くなったことを考えると、胸がつまる。

住居用半地下は外国では見られない劣悪な生活空間だ。太陽の光があまり入らず、換気も十分でない湿った環境で、居住者は湿気やにおい、かび、虫などと格闘しなければならない。セキュリティが脆弱で、豪雨時の浸水リスクも大きい。外信は、「banjiha」を固有名詞のように使い、韓国の豪雨被害を伝えている。英BBCは、今回の惨事について「映画『パラサイト』の豪雨シーンを連想させるが、結末は最悪だ」と伝えた。

統計庁によると、半地下で暮らす世帯数は32万7320世帯(2020年基準)にのぼる。このうち6割以上が住宅価格の高いソウルに、その中でも浸水被害が頻繁な冠岳区や銅雀区などに集まっている。数百万ウォンの保証金も払えない人々が劣悪な住居環境に追いやられているのだ。豪華マンションや摩天楼が立ち並ぶ世界的な都市ソウルの暗い陰だ。

最低限の安全も担保されない半地下の劣悪な状況をこのままにしてはいけない。気候変動による災害被害は今後もさらに大きくなり、頻繁になるだろう。新林洞一家の惨事が繰り返えされないとは言えない。

ソウル市は10日、住居目的の半地下使用を許可せず、既存の半地下は徐々になくし、倉庫や駐車場に転換する対策を出した。元喜龍(ウォン・ヒリョン)国土交通部長官も、住居脆弱階層のための改善策づくりを約束した。言葉だけで終わってはいけない。スピード感を持って履行し、低所得層のための賃貸住宅の確保などの代案も共に提示する努力が求められている。世界10位の経済大国である大韓民国の国民が半地下住宅に閉じ込められて命を失う悲劇は繰り返されてはならない。