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バイデン時代、文政府の北朝鮮政策の全面見直しは避けられない

バイデン時代、文政府の北朝鮮政策の全面見直しは避けられない

Posted November. 10, 2020 08:20,   

Updated November. 10, 2020 08:20

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、「米民主党政府は、韓国の民主党政府と平和プロセスを緊密に協調し、協力してきた経験がある」とし、北朝鮮核問題により大きな進展を成すために知恵を集めて行くと述べた。バイデン前副大統領が米大統領選で当選を確実にしたことを受けて、韓米間「民主党組合」を強調して期待を示したのだ。米国を訪れた康京和(カン・ギョンファ)外交部長官も、「オバマ政権当時の『戦略的忍耐』に回帰しないようだ」とし、これまでの米朝対話の基調が維持されることを期待した。

 

このような期待にもかかわらず、バイデン時代の開幕は、韓国の北朝鮮政策の全面的な見直しを求める。バイデン氏は誰よりも韓国をよく知り、愛情を持つ知韓派だが、トランプ氏の北朝鮮政策に非常に批判的だ。金大中(キム・デジュン)政府の太陽政策を積極的に支持したが、その失敗を見て対北朝鮮への強硬姿勢に旋回した。むろん、オバマ政権の副大統領を務め、北朝鮮に対する無視し、事実上の戦略不在で一貫した「戦略的忍耐」政策の失敗も目撃した。

 

バイデン時代の北朝鮮政策は戦略的忍耐には戻らないだろう。すでに核兵器の開発完了を宣言した北朝鮮は、もはや米国が忍耐できるレベルを越え、その脅威はますます大きくなっていくだろう。北朝鮮に対する制裁と圧力であれ、対話と交渉であれ、積極的な関与は必須になった。ただしそのアプローチはトランプ氏とは180度違うだろう。トップダウン式の首脳外交は期待できない。バイデン氏は北朝鮮の核兵器縮小の約束があってこそ首脳会談が可能だと釘をさした。

 

新政権は、同盟との共同対応、中国を通じた圧力強化のような多国的アプローチで北朝鮮を交渉のテーブルに引き出す伝統的な方法を取る可能性が高い。米朝交渉も、実務ラインから段階を踏んで行く予測可能な対話になるだろう。そのうえ政策の見直しが数ヵ月かかるかも知れないうえ、国内外の懸案が山積し、北朝鮮核問題は政策の優先順位から後方に押し出される可能性もある。この間に北朝鮮は核・ミサイル挑発で冒険主義サイクルを再び回す可能性もある。

新政権は、トランプ政策との大胆な断絶を予告している。韓国政府には試験台になるだろう。韓米民主党政府間のコンビプレイに対する楽観よりも、北朝鮮政策をめぐる同盟間の行き違いを露呈しないか心配される理由だ。政府は、新しいアプローチに基づいてバイデ氏の政権移行チームとの政策調整を急がなければならない。その開始は今後1年半残った任期内に何でも成し遂げるという性急さから捨てることだ。