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目前に迫ったバイデン時代、北朝鮮核問題や韓米同盟懸案の調整を急げ

目前に迫ったバイデン時代、北朝鮮核問題や韓米同盟懸案の調整を急げ

Posted November. 06, 2020 08:21,   

Updated November. 06, 2020 08:21

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米大統領選は、今や法廷闘争というトンネルに入り込む様相だ。しかし、開票結果では民主党候補のバイデン前副大統領の当選が確実視される。郵便投票をめぐってトランプ大統領の提訴など不承認の動きのため当分の間混乱は避けられないが、バイデン氏が選挙人の過半を事実上確保したので、大勢を覆すことは容易ではない。今や米国は、バイデン政権の発足にともなう巨大な変化の波を予告している。

バイデン時代の開幕は、トランプ氏の4年間の加速と逸脱を終わらせ、正常に復帰するという宣言を意味する。むろん、トランプ政権発足時のような騒々しい変化ではないが、分裂と対立の治癒を掲げたバイデン氏の政策は、「トランプ政策でなければ何でも(ABT・Anything But Trump)」の形態を帯びる可能性が高い。直ちに国内的には、トランプ式の差別と排除ではなく、包容と統合という米国的精神の回復に向けた全面的な政策変化となって現れる見通しだ。

バイデン氏が強調する米国的価値の回復は、対外関係でも現れるだろう。トランプ氏は「米国第一」を掲げ、世界の警察の役割を拒否し、国際機関や条約を無視し、同盟関係までそろばんを弾いた。そのようなトランプ外交は、米国の国際的威信を地に落とした。バイデン氏が、ルールと価値を中心にした自由主義的国際主義路線に復帰し、グローバルリーダーとして積極的な役割を果たすことが期待される。

韓半島政策にも大きな変化が予想される。対北朝鮮政策で「トップダウン」式米朝対話に対する期待はできなくなった。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を「悪党」と呼ぶバイデン氏だ。北朝鮮の完全な非核化と人権改善がなければ制裁と圧力が強化され、これによる北朝鮮の挑発の可能性も懸念される。与党の一部では、「クリントン政権3期」云々し、便宜的楽観論を展開するが、北朝鮮の核開発の初期段階だった2000年代初め、クリントン政権がこの問題を眺めた時と今の米民主党が感じる北朝鮮核問題の深刻さと解決法は雲泥の差がある。在韓米軍駐留経費負担増額のような韓米同盟の懸案では意思疎通が円滑になるかもしれないが、トランプ政権に劣らない対中強硬姿勢は、韓国を選択の岐路に立たせるだろう。

米国の政権交代は、韓半島情勢の激動をもたらしてきた。米大統領選の結果がまだ確定していないため、政府は様々な非公式チャンネルと人脈を稼動し、予備政権の内心を正確に把握する作業を急がなければならない。これを土台に、同盟懸案と北朝鮮政策を静かに調整しなければならない。それもせず「クリントン政権3期」云々し、便宜的楽観論を展開することはあってはならない。