Go to contents

金正恩氏が姿を現わすと…米が対話再開のシグナル

金正恩氏が姿を現わすと…米が対話再開のシグナル

Posted May. 07, 2020 08:19,   

Updated May. 07, 2020 08:19

한국어

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が1日に公の場に姿を現わして以降、米国から「対話再開シグナル」が続いている。昨年10月にストックホルムの米朝非核化実務交渉が決裂した後、米国が非核化問題を事実上、あきらめたのではないかと懸念されていたが、ワシントンから北朝鮮に対話要請メッセージが送られているのだ。

国家情報長官に指名された与党共和党のジョン・ラトクリフ下院議員は5日(現地時間)、北朝鮮の非核化の意思に疑念を抱きながらも、外交的な解決策を模索することを強調した。ラトクリフ氏は同日、人事承認公聴会で、「私たちが(北朝鮮との非核化交渉と)関連して進展があったのかなかったのか話せない」としつつも、「今進行している外交交渉を理解し、高く評価する」と述べた。また「彼ら(北朝鮮)が制裁緩和の見返りにある程度譲歩することを望む」とも述べた。制裁の一部緩和と核兵器の一部譲歩という非核化交渉の出発点を模索することをほのめかした。

トランプ政権の北朝鮮核問題の交渉メンバーの1人であるマーク・ナッパー米国務副次官補も同日、戦略国際問題研究所(CSIS)が主催したセミナーで、「私たちは2018年のシンガポール首脳会談の共同声明の約束を履行することに努めている。北朝鮮と再び対座できることを願う」と強調した。

正恩氏の活動再開と相まって米国で対話再開メッセージが伝えられる中、大統領府も独自の南北協力にスピードを出す構えだ。何より文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任3年目を迎える10日に、南北交流の必要性を再度強調するものとみられている。これに先立ち、文大統領は板門店(パンムンジョム)宣言から2年が経った先月27日、首席・補佐官会議で、「(制裁など)環境が良くなることをただ待つことはできない」とし、南北協力事業の推進を本格化する意向を明らかにした。大統領府関係者は、「積極的に南北協力事業を模索するという私たちの意思に変わりはない」と強調した。南北対話を通じて、米朝対話を牽引する善循環論を再び強調するということだ。

 

しかし、対話のモメンタムを生かすためのこのような努力にもかかわらず、北朝鮮が「傍観モード」を止めて動き出す可能性は依然として高くないという声もある。何より新型コロナウイルスを内部で封じ込めなければならない緊急の問題がある。さらにウイルスの感染拡大の影響でトランプ米大統領の選挙活動が以前より容易ではないため、北朝鮮が11月の大統領選後の交渉相手の変更を念頭に置いて対話に前向きに取り組まない可能性も排除できない。

ただし、トランプ氏が、大統領再選で実際に守勢に追い込まれた場合、「北朝鮮カード」を取り出す賭けに出る可能性もある。北朝鮮もまた、正恩氏とトランプ氏の親交を踏み台にして「ビッグディール」に出る可能性もある。統一研究院北朝鮮研究室の洪珉(ホン・ミン)室長は、「米朝が会うといっても、大きな合意の枠を作り出すレベルの接触ではないだろう」と予想した。


ハン・ギジェ記者 パク・ヒョモク記者 record@donga.com · tree624@donga.com