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監視所銃撃、無反応の北朝鮮…またもうやむやにすれば9・19合意は紙切れになる

監視所銃撃、無反応の北朝鮮…またもうやむやにすれば9・19合意は紙切れになる

Posted May. 05, 2020 07:45,   

Updated May. 05, 2020 07:45

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北朝鮮が、韓国軍の監視所に銃弾を発射して2日が経ったが、何の反応もない。韓国軍が3日、9・19南北軍事合意違反について説明を求める電話通知文を送ったが、北朝鮮からは何の返信もない。その代わり、宣伝メディアが、韓国軍のF35とグローバルホークの導入について、「北朝鮮に対する侵略戦争の準備のための武力増強と軍事的対決策動」と非難した。国連軍司令部は4日、北朝鮮軍の監視所銃撃事件の調査に着手した。

北朝鮮はこれまでにも相次ぐミサイル挑発で、軍事的緊張緩和という9・19軍事合意の精神を違反した。昨年初め、米朝ハノイ会談の決裂後、北朝鮮の拒否で共同遺骨発掘や監視所の撤収といった合意履行も進展なく立ち止まった状態だ。ただし、軍事境界線(MDL)と北方限界線(NLL)付近に緩衝地帯を設定し、武力の使用と敵対行為の中止を約束した条項は、多くの論議にもかかわらず、大きく損なわれることなく維持されてきたのも事実だ。

 

今回の監視所銃撃は、その軍事合意の核心に正面から抵触する実質的な違反だ。それも2度目だ。北朝鮮は昨年11月、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が視察した中、西海(ソヘ・黄海)緩衝水域の昌麟島(チャンリンド)で海岸砲射撃訓練を行った。北朝鮮がこの事実を報道した後、国防部は、「韓国軍も海岸砲射撃の時、音を捉えた」と明らかにし、北朝鮮に抗議文を送った。しかし、何の返答もなくうやむやになった。

今回も北朝鮮は、意図的な挑発であれ偶発的な事故であれ、うやむやにする思惑のようだ。韓国軍が重きを置いている偶発的な銃撃だとしても、北朝鮮軍で検閲騒動が起こるところだが、銃撃後も日常的な営農活動が行われるなど、おかしなほど特段動きがないという。北朝鮮としては、状況管理に重点を置き、韓国の抗議を無視しようとしているとみられる。

北朝鮮の相次ぐ挑発で9・19軍事合意はすでに死文化したとし、強力な対応を求める声が出て久しい。監視所の銃撃も、正恩氏の動静不明後に再び姿を見せたのと同時に挑発を強行するというパターンどおり、より大きな挑発のための予備行為という分析もある。北朝鮮の誤った判断を防ぐには、しっかり問い詰めなければならない。今回も何もなかったようにやり過ごすなら、9・19合意は紙切れになるだろう。