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製造業まで襲ったコロナショック、金融に広がる可能性を確認すべきだ

製造業まで襲ったコロナショック、金融に広がる可能性を確認すべきだ

Posted March. 03, 2020 08:15,   

Updated March. 03, 2020 08:15

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三星(サムスン)電子、現代(ヒョンデ)自動車など、韓国の看板メーカーがCOVID19の事態により、国内の一部の工場を一時閉鎖したのに続き、海外事業所の運営まで支障をきたしている。サービス業を中心とした内需産業から、製造業と輸出にCOVID19事態の影響が広がっている状況だ。

現代自動車の蔚山(ウルサン)工場で先月28日、COVID19感染者が出て、ジェネシスGV80・パリセードを生産する第2工場の稼動が一時停止した。これに先立って、三星電子も先週、亀尾(クミ)工場と器興(キフン)半導体事業所で計3人の感染者が発生して工場を閉鎖し、防疫作業に入った。今月1日は、LGイノテック亀尾工場で感染者が出て、該当生産ラインの稼動が一時中止する事態が起こった。

韓国からの入国を禁止する国が80カ国に増え、出張が出来なくなるなど、海外事業にも支障をきたしている。LG化学は、米オハイオ州ローズタウンにGMと合弁法人のバッテリー生産工場を建設することに先立ち、今年4月、ドナルド・トランプ米大統領を招待して起工式を行う予定だったが、白紙化の危機に置かれている。今年3月中に予定されていた中国広州のLGディスプレー工場の完成と量産日程も不透明な状況だ。

COVID19による経済的被害は、かつてのSARSやMERS事態と比較できないほど広く、長期化するだろう。すぐに先月の輸出だけを見ても、部品調達の問題で生産中止に見舞われた自動車部門で16%減少したのをはじめ、2月の日別輸出額が昨年2月に比べて11.7%減少した。

すでに直撃を受けた内需は言うまでもない。COVID19の影響が比較的少なかった1月の小売の売上高は前月に比べて3.1%減少したが、閑古鳥が鳴いているレストランや映画館、デパートなどを見れば、近いうちに出る2月の統計は、1月よりはるかに深刻になるだろう。クレジットカード業界が集計した2月1日から23日までの個人クレジットカードの使用額だけを見ても、1月に比べて45%も減少した。

昨日、政府と与党がコロナを巡る補正予算について議論した。足元の火を消すために、迅速な編成と執行が伴わなければならない。しかし、補正予算で急場をしのぐには原状回復が事実上困難な分野や企業・自営業者も少なくない。昨年、主な都市銀行の自営業者を含む中小企業向けの融資が440兆ウォンを超えており、不況の影響で融資延滞率はますます高まっている。

実体経済の萎縮によって打撃を受けた中小・自営業者の金融を巡るジレンマ、あるいは家計負債の増加によって金融危機が発生する可能性はないか、綿密に観察する必要がある。さらに補正予算のような一時的処方のほか、脆弱になった経済体質を強化し、企業の投資拡大を引き出す方向に、根本的な政策転換を真剣に検討する必要がある。