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独、次期首相有力の「ミニ・メルケル」が辞意表明

独、次期首相有力の「ミニ・メルケル」が辞意表明

Posted February. 12, 2020 08:28,   

Updated February. 12, 2020 08:28

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ドイツのメルケル首相の後継者とされたキリスト教民主同盟(CDU)のアンネグレート・クランプカレンバウアー党首(58)が、党首を辞任するだけでなく次期首相候補を辞退する考えを明かにした。5日、ドイツ・テューリンゲン州の首相選出で、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」がCDUの候補に票を集め、ドイツ政界でダブー視された極右政党との事実上の協力があったことに責任を負うためだ。

AP通信などによると、クランプカレンバウアー氏は同日ベルリンのCDU中央党本部で、「今夏に党首と首相候補の選出を進めた後、党首からも退く」と宣言した。

クランプカレンバウアー氏は、「ミニ・メルケル」と呼ばれた人物。同氏は、ザールラント州首相を歴任し、2018年初めにメルケル首相の目にとまり、キリスト教民主同盟の事務総長に抜擢された。同年12月、党首に選出され、2021年に政界を引退するメルケル氏の後継者として注目された。昨年の欧州議会選挙やドイツ・ザクセン州など地方選挙でCDUの支持率が下落して党内での立場が弱まったものの、次期首相ナンバー1に選ばれた。

クランプカレンバウアー氏が突然、党首だけでなく首相候補辞退宣言をしたのは、5日のテューリンゲン州地方選挙の結果のためだ。この選挙で、政権与党のCDUは、市場主義指向の少数党自由民主党(FDP)所属のトーマス・ケメリヒ氏を州首相候補に推した。CDUはテューリンゲン州では第3党にすぎず、テューリンゲン州の第1党である左派党所属のボド・ラメロウ現首相が再選すると観測された。

問題は、この過程でAfDが自分たちの候補ではなくFDPに戦略的に票を集中させ、ケメリヒ氏が当選したことだ。政権与党CDUとAfDが協力してFDPの候補を当選させたのだ。「ネオナチ」と呼ばれたAfDとの協力で、ドイツ全土が衝撃を受け、クランプカレンバウアー氏は選挙失敗の責任を負って退いた。

「ミニ・メルケル」の辞退で、今後ドイツ政界に地殻変動が起きると予想される。新たな首相候補に、メルケル氏の執権前に政治的ライバルだったフリードリヒ・メルツ元CDU院内代表が急浮上している。党内の右派勢力の絶対的な支持を受けてきたメルツ氏は昨年12月、次期首相好感度調査で1位になった。このほかに、ドイツ難民開放政策を主導してきたイェンス・シュパーン保健相、CDU副党首でノルトライン=ヴェストファーレン州首相のアルミン・ラシェット氏、ドイツ連合政府の一軸であるキリスト教社会同盟のマルクス・ゼーダー党首らが有力候補とされる。


金潤鍾 zozo@donga.com