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チャーター機の混乱、隔離地域の覆し…「しどろもどろ」対応が混乱を煽る

チャーター機の混乱、隔離地域の覆し…「しどろもどろ」対応が混乱を煽る

Posted January. 31, 2020 08:17,   

Updated January. 31, 2020 08:17

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新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎)で封鎖された中国武漢から、韓国人同胞700人余りを帰国させようとしていたチャーター機のスケジュールが、昨日未明に突然キャンセルされた。政府は、「飛行機を1日に2機飛ばす問題で、中国政府が歯止めをかけた」とか「中国政府に迷いがあるようだ」(朴凌厚福祉部長官)などと説明するが、正確なキャンセルの理由は言わなかった。そして、昨日午後になってようやく、30日中にまず1機を送ると発表した。

米国と日本が28日から、自国民を移送したうえ、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が28日、中国の王毅外交部長と電話までしたのに、関連協議が円滑でなかったことは理解し難い。駐武漢総領事館は、中国政府との協議はもとより、政府公式発表前の27日から同胞たちに移送通知を送った後、数回スケジュールを覆して同胞たちをさらに混乱させた。

政府が見せた「右往左往」の行動は、これだけではない。外交部と保健福祉部は29日午前まで、移送対象同胞を巡って、無症状者だけなのか、有症状者を含むかを巡って意見が食い違っていたが、その日の午後、無症状者のみを優先的に連れて来ることにしたと整理した。同胞たちを隔離収容する場所も、28日は忠清南道天安(チュンチョンナムド・チョンアン)だという発表文を事前配布したが、29日に牙山(アサン)と鎮川(チンチョン)に変えて、該当地域住民の反発を招いた。この過程で、情報がガラス張りに公開されず混戦を招き、地元社会への説得が足りなくて批判を招いた。隔離施設の選定過程について、大統領府は「首相室で行った」と主張し、首相室は「行政安全部が探したと聞いている」と押し付けている。そんな中、一昨日鎮川では福祉部の次官が憤った住民たちに髪の毛を引っ張られ、昨日、牙山住民たちは行政安全部長官と忠清南道知事に卵を投げる出来事が起きた。

災害への対処は、状況が難しいほど迅速かつ体系的な取り組みが肝要だ。現在は、疾病管理本部、中央災難安全対策本部、福祉部、首相室、大統領府など複数の主体が出て苦労しているが、国民の目には、コントロールタワーが誰なのかよく見えない。むしろそれぞれ一所懸命にやっているのに、総括主体がおらず、食い違いが増大する様子を見せている。さらに4月の総選挙を意識した政界も、事態収拾よりはニムビと対立を煽っている。感染症関連の司令塔は、専門知識を持つ疾病管理本部が全権を持って迅速に決定し、隔離施設指定などの行政的支援やチャーター機輸送などの外交政務的事案は、国家安保室または首相室で一糸乱れず決めて支援しなければならない。武漢肺炎事態は長期化する可能性が高い。今でも総括する主体を巡って、効率的な対応に出れば、私たちは十分に克服できる資源と人材を持っている。武漢肺炎が大韓民国の危機対応能力を問うている。