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世宗が激怒する宗廟祭礼楽?

Posted January. 22, 2020 07:53,   

Updated January. 22, 2020 07:53

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20年以上も議論が続いている「第1号国家無形文化財」である宗廟(チョンミョ)祭礼楽の原形歪曲されたのかどうかについて、今回はきちんと議論されるだろうか。

宗廟祭礼楽は、朝鮮王室霊廟である宗廟で祭祀を行う際に使った音楽と踊りである。朝鮮の世宗(セジョン)が作り、世祖(セジョ)の時から実用化して、様々な儀式に本格的に使った。2001年に宗廟祭礼と共にユネスコ無形遺産傑作(現在の世界無形遺産)に登録されたが、日本植民地時代にその形態と内容が変質したという指摘が持ち上がってきた。

実際、宗廟祭礼楽の文樂である「保太平」と武樂である「定大業」は、日本植民地時代にその名称がそれぞれ「保太和」と「享萬年」に変わって使われた。論文や本「宗廟祭礼楽の佾舞の歪曲と実際」(民俗院・2002年)によって関連問題を指摘したイ・ジョンスク韓国伝統楽舞研究所長によると、太和は、日本初の統一政権の名前である「大和」と通じる。「日本を保全して万年を享受する」という意味で名称が変わったのだ。

タイトルの歪曲は光復(日本植民地からの独立)直後に直されたが、歌詞の歪曲は近年まで続いた。王室の先祖に対して皇、聖などの尊称と日本を指した「島夷(島の野蛮人)」だけでなく、日本と関連した楽章のタイトルと内容が丸ごと変わった。歌詞が元の内容を回復したのは、少なくとも2003年以降だ。舞具も変形されたが、原形に戻されたという評価だ。

残りの問題は、各音の長さや舞踊などである。イ・ジョンスク所長は、「今は旋律において、各音の長さを同じように演奏するが、世宗は音別にさまざまな長さで演奏するように創製し、楽譜もそのまま残っている」とし、「楽譜通りにだけ演奏すればいいのに、直されていない」と語った。

初めて宗廟祭礼楽の原形歪曲問題を提起したのは、国立国楽院樂師長を務めた国家無形文化財・處容舞(チョヨンム)芸能保有者であるキム・ヨン氏(87)だ。キム氏と一緒に復元運動を繰り広げている宗廟祭礼楽原状保存市民連帯のイ・チャンゴル共同代表は、「現在の宗廟祭礼楽の佾舞は、時用舞譜(宗廟祭礼の踊りを絵で説明した本)と異なる点が相当ある」とし、「日本帝国の歪曲などにより、李王職雅楽譜が正しく伝授されなかったせいだ」と語った。

歪曲というよりは「変化」だったという反論もある。国立国楽院で学芸員として在職していた当時、この問題を研究していたチュ・ジェグン・チョンヒョ国楽文化財団代表は、電話でのインタビューで、「踊りのような公演芸術は映像で残っていない限り、原形について勝手に論じるのは難しい」とし、「日本帝国がこれを人為的に変えたというよりは、その時代を経る過程で乱れたのだ」と語った。

2003年から国政監査を通じて提起された原形復元関連調査委員会の立ち上げは、今まで行われていない。市民連帯の苦情等に応じて文化財庁が昨年12月中に、国立国楽院などと一緒に調査委設立の必要性を検討する会議を開催すると文化財委員会に報告したが、実際は開かれなかった。年末の行事が多く、今年2月に延期されたという。


趙鍾燁 jjj@donga.com