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「不法医療行為の根絶」…依然遠い手術室の監視カメラ設置の義務化

「不法医療行為の根絶」…依然遠い手術室の監視カメラ設置の義務化

Posted January. 04, 2020 08:59,   

Updated January. 04, 2020 08:59

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「ゴースト手術」や手術室内での体の撮影など、医療関係者の不法行為を予防する方法はないだろうか?処罰を強化し、免許の再取得を厳しくすることに劣らず、最近注目されるのが、手術室内での監視カメラの設置だ。患者団体などは、医療事故の原因究明のために手術室での監視カメラの設置は絶対必要だと主張する。昨年5月に手術室の監視カメラ設置を義務付けた医療法の改正案が発議されたが、まだ国会の敷居を跨げずにいる。医師を潜在的犯罪者として扱うという医療界の激しい反発のせいだ。

手術室の監視カメラの設置法案は、いわゆる「クォン・デヒ法」と呼ばれる。2016年に故クォン・デヒ氏(当時25歳)が、ソウル江南(カンナム)のある整形外科で顔面輪郭手術を受ける途中、過度な出血で死亡した事件がきっかけとなった。医師が複数の患者を同時に手術するために席を外したことが手術室の監視カメラに映っていたのだ。これを機に、手術室の監視カメラ設置の義務化が公論化された。

医療界は、監視カメラが医療関係者の負担を加重させると指摘している。こうなると、危険な手術を回避するなどの副作用の方がより大きいという。体が露出された患者のプライバシーを侵害する恐れもある。海外でも、まだ手術室の監視カメラの設置を義務付けた国はない。米ウィスコンシン州の場合、最近義務化の法案が発議されたが、まだ議論している。

しかし、ほとんどの患者は、手術室の監視カメラ設置を望んでいる。これにより、京畿道(キョンギド)医療院は、2017年10月から傘下の6つの病院の手術室に、監視カメラを設置して運営している。昨年1月9月まで6つの病院で行われた計3052件の手術のうち、患者が撮影に同意した割合は65%(1992件)だった。患者が手術の結果に不満を抱いて映像を要求した事例は一件もなかった。

京畿道は今年、手術室の監視カメラ設置の対象を広げて、民間病院12カ所に監視カメラの設置費用を支援する予定だ。

手術室の監視カメラを限定的に運用すれば、医療界が心配する副作用を減らすと期待される。イ・ギルヨン江東慶煕(カンドンギョンヒ)大学病院外科教授は、「患者が同意する場合にのみ録画したり、手術室の入り口に撮影地域を制限することも一つの方法だ」と話した。保健医療専門法務法人ヒポクラテスのパク・ホギュン弁護士は、「ハッキングによる映像流出などの副作用が起きることもありうるが、医療関係者が患者に信頼を与えない現状では、手術室の監視カメラは絶対必要だ」と強調した。


朴星民 min@donga.com