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月岳山のヤギが5年で22頭から100頭に増えた

月岳山のヤギが5年で22頭から100頭に増えた

Posted November. 19, 2019 08:29,   

Updated November. 19, 2019 08:29

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絶滅危機野生生物1級であるヤギ100頭が、忠清北道(チュンチョンブクド)と慶尚北道(キョンサンブクド)にまたがる月岳山(ウォルアクサン)に生息していることが分かった。国立公園公団は13日、「2017年からヤギを全数調査した結果、独自の生存が可能な数を達成したことを確認した」と明らかにした。100頭は、月岳山ヤギが数十年後も生き残ることができる最小限の規模を意味する。

国立公園公団が月岳山ヤギの復元に本格的に乗り出したのは12年前。その以前に月岳山はヤギの生息地だったが、1982年以降目撃されたことがなかった。ヤギが生息できるかを確認するために、公団は1995年、ヤギ6頭を試験的に野生に放した。2006年に10数頭に増えたことが確認されると、ヤギ復元事業を決定した。2007年の雌雄5組の自然への放しを皮切りに、2014年までにヤギ22頭が月岳山に放された。月岳山は急な岩が多く、傾斜が30度以上の急な地形なので、ヤギの生息に適している。2008年から毎年、一、二頭ずつの子ヤギが生まれた。

ヤギの数はどんどん増えていくが、自然に放すときに位置発信器をつけた22頭以外は、さらに何頭が生息しているかを知る方法がなかった。そこで考えたのが無人センサーカメラだ。2017年に月岳山の半径1キロ以内に1個の割合で80個を設置した。動きをとらえると自動的に写真を撮るこのカメラに約2年間撮られたヤギの写真を選んでみると、約4000枚になった。

公団傘下の国立公園生物種保全院の職員たちは、この写真を一つ一つ比較、対照、分類した。人の顔がすべて異なるように、ヤギの顔もすべて異なる。角が伸びた方向と曲がり具合、顔に生える黒毛の形と黒さの度合い、角の年輪ともいえるリングの数などで顔を区別する。ソン・ジャンイク国立公園生物種保全院・北部センター長は、「膨大な労働力が投入された」と笑った。最終的に100頭を確認するまで、2017年に全数調査を開始してから丸2年以上がかかった。

ヤギは月岳山を離れ、新しい生息地を開拓した。公団の研究チームは2016年、ヤギの雄1頭が俗離山(ソクリサン)の方向に40キロ移動して定着したことを確認した。2017年は、別の雄1頭が小白山(ソベクサン)の方向に20キロ移動して定着した。月岳山を中心に、他の地域へとヤギの生息地が拡大する可能性が高まったのだ。

韓国でヤギが100頭以上生息していることが知られている地域は、雪岳山や非武装地帯(DMZ)、江原楊口(カンウォン・ヤング)、華川(ファチョン)、慶尚北道蔚珍(ウルジン)ぐらいだ。公団は、月岳山を基点に、すぐ上下に繋がっている小白山と俗離山にもヤギの生息地を増やす方針だ。以後断絶したヤギの生息地を、白頭(ペクドゥ)山脈のほうにすべて繋ぐことが目標だ。ソン・センター長は、「ヤギは、先史時代から韓国で生息してきた動物だ」とし、「訪問客たちにヤギに出会ったときの対処方法についてPRし、密猟ツールなどを定期的に回収して人間との共存する可能性を高めていきたい」と語った。


カン・ウンジ記者 kej09@donga.com