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軍人・児童生徒は減り、高齢者の医療費だけが急増…目前に迫った少子高齢化の弊害

軍人・児童生徒は減り、高齢者の医療費だけが急増…目前に迫った少子高齢化の弊害

Posted November. 07, 2019 09:08,   

Updated November. 07, 2019 09:08

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韓国高齢者の診療費が昨年30兆ウォンを突破した。全体健康保険の給付費も大幅に増え、78兆ウォンに達した。高齢者人口が増えた上、「文在寅(ムン・ジェイン)ケア」に代表される健康保険の給付化の恩恵で病院の利用者が急増したためだ。

国民健康保険公団が昨日出した「2018年健康保険統計年報」によると、全体人口で13.9%を占める65歳以上の高齢者は、昨年全体診療費の約41%を使った。高齢者1人当たりの診療費は456万ウォンで、6年ぶりに1.5倍に上がり、2030年には760万ウォンに達するという。

韓国の高齢化のテンポは世界でも類を見ないほど速い。このような傾向が続けば、近いうちに健保財政悪化が「足元の火」にならざるを得ない。政府が「文ケア」のメリットだけを強調するのではなく、持続可能性に留意しながら、管理に乗り出さなければならない理由である。2008年に「医療費適正化計画」を出した日本の事例を調べ、高齢者の健康が本人はもとより、社会にも大きく役立つという発想の転換が必要である。高齢者の社会参加活動が医療費を減らすのに役立つという指摘も参考に値する。

少子化による人口減少の傾向は、教育と国防にも警告音を鳴らしている。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は昨日、学齢人口と兵役義務者の減少による対策を盛り込んだ「絶対人口減少の衝撃緩和策」を発表した。3年以内に軍の常備兵力を現在の58万人から50万人に減らし、幹部女性軍の比率拡大、帰化者の兵役義務化などを検討するという。教員需給基準も見直す。昨年まとめた2030年までの小中学校の需給計画において追加縮小は避けられず、予備教師らの反発が懸念される。このような方策は、「汎政府人口政策タスクフォース(TF)」が9月に1回目に出した65歳定年延長案などに続く後続措置で、3回目の措置につながる予定である。

少子化と人口減少、高齢化はお互い原因と結果になって、絡み合う関係を形成する。それぞれの現象に合わせて社会を効率的に運用するための対策は当然必要である。それでも最も根本的で望ましい対策は、積極的な出産奨励で、実際に国全体の出生率を引き上げ、生産可能人口を増やすことである。若者たちが安心して2世を生み育てたくなる社会というものは、政策の一つや二つで一朝一夕にして変わるものではないので、韓国社会の苦悩は続くしかない。