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北朝鮮は危機を高めることに血眼なのに、金剛山制裁の迂迴路を探す韓国

北朝鮮は危機を高めることに血眼なのに、金剛山制裁の迂迴路を探す韓国

Posted October. 30, 2019 08:19,   

Updated October. 30, 2019 08:19

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北朝鮮メディアは29日、崔竜海(チェ・リョンヘ)最高人民会議常任委員長の非同盟会議での演説を伝え、「朝鮮半島情勢は今、堅固な平和につながるのか一触即発の危機に戻るのかという重大な岐路にある」とし、米国には「敵対政策の撤回」、韓国には「外勢依存の脱皮」を求めた。米朝協議の期限と釘を刺した「年末」まで、緊張を高めるということだ。

北朝鮮は最近、一線を退いていた人物を登場させ、対米圧力を強めた。24日に金桂寛(キム・ゲグァン)外務省顧問が「米朝首脳間の親交関係」を強調すると、27日には金英哲(キム・ヨンチョル)前統一戦線部長が、「火と火が行き交う交戦関係」と警告した。今度は、対外序列2位の崔氏まで出て、「一触即発の危機」を警告した。年末決算の期限が迫っているにもかかわらず何の成果もないことへの焦燥感によるとみえるが、予告した「新しい道」への転換のためのムードづくりだろう。

北朝鮮はこれからも徐々に危機指数を引き上げ、挑発の大義名分をつくる可能性が高い。険悪な言葉で警告し、本格的な行動に出る恐れがある。直ちに、中止を約束した核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験ではなく、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)や中・短距離ミサイル発射、核実験場復元のような挑発で、一昨年の瀬戸際戦術を繰り返す可能性が高い。さらに、米朝関係のビリヤードクッションのように利用してきた南北関係も破綻直前に追いやっている。

政府は28日、北朝鮮の金剛山観光施設撤去通知を受けて、実務協議の開催を提案した。統一部は、開城(ケソン)観光や離散家族再会など「創意的解決策」で国連の北朝鮮制裁を迂回して金剛山観光の再開を検討するという。危機を高めることに血眼になった北朝鮮がこのような提案を聞けばせせら笑うのではないかと思われるが、たとえ実務協議に応じたとしても、一方的な協議になるだろう。北朝鮮をなだめること以外に、直面するかもしれない危機局面への対策を準備しているのか疑問だ。