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肺がん組織を培養してカスタマイズされた抗がん剤の道を開いた

肺がん組織を培養してカスタマイズされた抗がん剤の道を開いた

Posted October. 11, 2019 09:28,   

Updated October. 11, 2019 09:28

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韓国の研究グループが、肺がん患者のがん組織を体外で培養して同様に再現することに成功した。患者のがん組織の特性に応じて、最も副作用が少なく、治療効果は高い抗がん剤を見つける道が開かれた。

ソウル峨山(アサン)病院病理学科のチャン・セジン教授の研究チームは、患者の肺がん細胞の特徴をそのまま複製したオーガノイド(organoid)培養に成功したと、10日明らかにした。がんオーガノイドは、がん組織を少量採取して、試験管で3次元に培養した一種の類似臟器だ。

肺がんオーガノイドの開発は、一回報告されたことはあるが、正常細胞は抑制し、肺がん細胞だけを育ててがん組織を作ったのは初めてだ。がん細胞だけを分離して培養すれば、抗がん治療効果をより正確に分析できる。

肺がんは、患者ごとにがん細胞の特性が多様で、カスタム抗がん剤を処方することが完治の可能性を高める。しかし、動物や細胞実験のような従来の方法は、時間とコストがかかり、正確性が落ちるという限界があった。

オーガノイドを活用すれば、さまざまな抗がん剤をテスト後、最適の抗がん治療法を患者に処方できる。2015年にオランダで、最初に大腸がんオーガノイドが開発されて以来、医療先進国ではオーガノイドの研究に注力している。

肺がんオーガノイドを実際の患者に適用するためには、臨床試験などを経なければならないので、多少時間がかかると見られる。チャン教授は、「韓国人の主な死亡原因である大腸がん、胃がん、肝臓がんのオーガノイドも開発して、より多くの患者が最適の抗がん剤を見つけられるように努力したい」と語った。

今回の研究は、国際科学学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」の最新号で、「注目すべき研究」に選ばれ発表された。


朴星民 min@donga.com