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ユーチューブ、目を閉じて耳ふさいではこれ以上進めない

ユーチューブ、目を閉じて耳ふさいではこれ以上進めない

Posted October. 11, 2019 09:30,   

Updated October. 11, 2019 09:30

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東亜(トンア)日報の2日付の「ちびっこユーチューバーのお金持ち、もはや過去のこと?…」。報道が出た翌日、国会教育委員会所属のA議員室から電話がかかってきた。教育委でも有害可能性のある子供のユーチューブチャンネルを注視しているが、国政監査のためにユーチューブの本社と韓国支社に関連データを要求しても、なしのつぶてだという。議員室の関係者は、「ユーチューブは、国内資料請求には一切対応じない。連絡すら難しい」と吐露した。

10日、関連情報技術(IT)業界によると、このように忙しいユーチューブ本社の役員たちが先月末、韓国を訪れて子供向けコンテンツ企業を訪問していたことが分かった。ユーチューブが全世界の子供ユーチューバーたちに対して、広告サービスの提供を中止することにしたという事実が知られ、国内の数十万フォロワーを抱える子供ユーチューバーたちが動揺し始めた頃だ。ユーチューブの役員らは、主要なキッズユーチューバーたちといちいち会って、「良質のコンテンツ企業は動揺する必要がない。むしろおもちゃの広告などは、これらの健全なキッズチャンネルにさらに集中することになるだろう」と安心させたという。

政府当局や国会の資料要求には消極的に対応していたユーチューブが「収益源」であるユーチューバーたちの動揺・離脱の兆しが見えると、慌てて対応に乗り出したのだ。韓国進出初期に競争相手だったアフリカテレビでBJ(放送進行者)を引き抜いて勢力を拡大した経験があるだけに、コンテンツ提供者管理の重要性についてよく知っているのだろう。ディズニー(ディズニープラス)、アップル(アップルテレビプラス)などそうそうたる競合他社が一日遠いし登板する状況だからなおさらそうだ。

今回のキッズユーチューバー規制も、実はポラムチューブの児童虐待論議などの国内状況を反映したというよりは、徹底的に米本社の方針を適用したに過ぎない。米国では人気の子供向けアニメーション・アナと雪の女王の「エルザ」を扇情的に表現したユーチューバーたちから始まった「エルザゲート(Elsagate・エルザと不正を意味するゲートの合成語)」の議論が2016年から継続的に提起されてきた。

韓国では今、今年の国政監査で指摘された不法武器類などの明白な違法コンテンツについても、どのような措置を取るかについて黙っている状況だ。国別アルゴリズムを別々の方法で適用するという分析も出ている。嶺南(ヨンナム)大学メディア情報学科のパク・ハンウ教授は、「各国の政治・社会環境に応じて、個人ユーチューバーのコンテンツをより上位に配置するところがある一方、もっと安全で実績のある既存のメディアコンテンツを主に掲載する場合もある」と指摘した。

成長には痛みが伴う。オープンプラットフォームを自任しながら、グローバルソーシャルネットワークサービス(SNS)市場を飲み込んだフェイスブックも、各国で有害コンテンツの流通に叩かれ始めている。とあるキッズコンテンツ企業の代表は、「キッズユーチューブは二つに分けられる。ママに内緒で見る映像、ママが流す映像」としながら、「今回を機に、ユーチューブ市場でも浄化が始まることを望む」と語った。ビジネスの出発点だったコンテンツ提供者、広告主を獲得するためにも、ユーチューブはこれ以上あちこちの問題意識に目を閉じ、耳をふさいでいてはならないのだ。


郭道英 now@donga.com