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釜山映画祭でVR映画を体験

Posted October. 08, 2019 09:02,   

Updated October. 08, 2019 09:02

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観客は映画の登場人物を通して、映画の中の世界を代わりに体験する。しかし、いくつかの映画は、特別な方法で観客を映画の中に押し込む。4日、釜山(プサン)国際映画祭が開かれた釜山海雲台(ヘウンデ)映画の殿堂ビーフヒル1階に設けられたバーチャルリアリティ(VR)シアターの入り口には、直接映画の中に入って「没入」しようとする各国の観客が並んでいた。

第76回ベネチア国際映画祭ベストVR賞を受賞した「ザ・キー(The Key・セリーヌ・トライカート監督)」は、「難民」をテーマにした作品。モバイルVRヘッドセットをかぶって、マウスを両手に握った瞬間、四方が暗く狭い部屋に様変わりした。嵐が吹き、狭い部屋の扉がはがれるかと思ったら、いつの間にか巨大な砂漠の真ん中の長い行列の中に立っている。地獄の門番のように見える巨大な怪物が書類を広げており、目の前で脅威的な指差しをした。

「ザ・キー」の動画の予告編には、監督の名前の前に「演出した」という意味の「Direct」という言葉の代わりに、観客が経験する体験の旅を構成したという意味で「Journey」という表現を使ったのが印象的だ。窮屈な部屋からまるで月面や地獄の途中に来ているような、荒れ果てた広く果てしない場所を経験し、観客が難民の実状をスクリーンで見て理解するのではなく、直接、その恐怖を「体験」できるようにした。

映画の殿堂シネマウンテンに設けた「ホログラムシアター」は、さらに一歩進んでVRヘッドセットをかぶった観客が、他の観客の前で公演を行う。VR映像に沿って動作をすると、ステージに映るホログラムの動きに合わせて、ゲームのようにホログラムの盾に向けて飛んでくる様々な形状の図形をどんどん受け止める。

釜山国際映画祭は、2017年に初めて23本のVR映画を上映した。今年は上映作品が53本に増えた。特にジャンルはドラマとドキュメンタリー、アニメーション、サイエンス・フィクション(SF)など多様になった。「ザ・キー」だけでなく、デクスタースタジオが制作した「潮の領域」、出血現場(凄惨な現場)に派遣された記者の視点で体験する「コード・オブ・フリーダム1991」、謎と殺人現場に入る「ファイア・エスケープ」など。映画「マトリックス」のネオのように、仮想の世界に完全に入ったような錯覚を呼び起こす作品だ。

VRコンテンツの開発は、没入を妨げる要素を削除する方向に進化しているハードウェアと、第5世代(5G)モバイル通信網とクラウド技術の開発などと噛み合って、徐々に加速している。360度の四方を見られる視野で四角のスクリーンから抜け出すこと、観客が直接動きながら周囲を見回し、映画の中の要素に触って操作できるという点で、VR映画は観客に全く新しい体験を提供する。世界3大映画祭のベネチア国際映画祭が、2017年にVR映画のコンペティション部門を新設するなど、世界各国の映画祭でも我先にVRセクションを設ける傾向にある。昨年ベネチア国際映画祭では、チェ・スウン監督の「バーディー」がVR経験賞を受賞するなど、国内VRコンテンツのレベルも発展している。

国内では、バルンソンが映画制作のノウハウと共に、VRコンテンツを開発しており、仮想特殊効果(VFX)の専門技術を保有しているデクスタースタジオも、ウェプ漫画など、様々な知的財産権(IP)と結合したVRコンテンツを制作・配給している。パク・ジェハ・バルンソンVRゲーム事業部門チーム長は、「初期は単純で刺激的な効果にのみ重点を置いたコンテンツが注目を集めたが、VRコンテンツはよく組まれたストーリーと技術が結合するとき、効果が拡大される」とし、「技術発達に併せて、コンテンツが成熟する2022年頃、本格的な市場が開かれると予想している」と述べた。


李?? baltika7@donga.com