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ハングルで作った床、衣服、食器…進化した文字展示会に大人たちも歓声

ハングルで作った床、衣服、食器…進化した文字展示会に大人たちも歓声

Posted October. 05, 2019 09:23,   

Updated October. 05, 2019 09:23

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3日訪れた京畿坡州(キョンギ・パジュ)の活版印刷博物館「活字の森」には、観覧客が後を絶たなかった。タイプライターと印刷機に触りながら話をする家族連れが少なくなかった。先月、ここの訪問者数は2500人余り。上半期の外出シーズンや夏休みに月平均1300人程度だったのが、下半期に入って大きく増えた。ワン・ジャへ企画チーム長は、「小中高校生と家族連れが主な観客だったが、最近では大学生も訪れる」とし、「先月は米シカゴ大学美術学部の学生たちが訪れ、文字を見つけて印刷する体験をしながら楽しんだ」と伝えた。

ここには3500万字の活字と字母(鉛を注いで活字の字面が現れるようにするために文字を刻んだ板)、鋳造機がある。韓国の最後の活字製造工場である「第一(チェイル)活字」から移してきたものである。大邱(テグ)のボンジン印刷所で稼働していた活版印刷機と裁断機、忠武路(チュンムロ)の印刷路地から取り寄せた紙折り機と無線製本機などもある。自分の名前を文選(活字を選んで抜くこと)して本の表紙を作り、本製本をする体験プログラムは、子供だけでなく、大人にも人気が高い。イ・サンギ研究員は、「最近、子供たちにはインクをつけて印刷をすることはどこでもなかなかできない新しい体験であり、大人たちには思い出が呼び出される過程だ」とし、「活字は消えていくように見えるが、訪問者たちはここで文字を体で感じる経験として活字を受け入れる」と語った。

観客が文字と会う展示はこのように進化している。文字は、見物というよりは記録物という認識が強く、図書やパンフレットのような展示の証拠品としてのみ使用されたのが事実である。そうだったのが、最近になっては文字を多様に楽める展示会と博物館が増えたことで、注目を集めている。

国立ハングル博物館にも今年に入って、訪問者数が前年比月平均5000人以上伸びるなど、観客が大幅に増えている。最近披露する企画展示は、「ハングルデザイン:形態の転換」と「ハングルの大師匠」展だ。「ハングルデザイン」では、デザインとファッション作家たちが、ハングルという文字の形をテーマにして、様々な作品を発表した。ハングルのまとめ書き構造を、さまざまな形や色で視覚化した「まとめ書き」(カン・ジュヒョン作家)、ハングルの子音と母音を刻んだ床を観客が一緒に歩く体験型作品「ハングル床」(ユ・へミ作家)、訓民正音の28字の形を基本的構造にして椅子、テーブル、ハンガーなどの家具で作った「子音と母音のリビングルーム」(パク・ギルジョン作家)など、実験的な展示物に会うことができる。「ハングルの大師匠」展では、ハングル学者周時経(チュ・シギョン)、「洪吉童(ホン・ギルドン)伝」の作家許筠(ホ・ギュン)をはじめ、東亜(トンア)日報のタイトル体などを作ったハングル・デザイナー・チェ・ジョンホなど、ハングルを輝かせた人々の人生を紹介した。

国立ハングル博物館のキム・ウンジェ学芸研究士は、「平面的なハングルをどのように立体的に解釈し、どの造形を創造できるかについての悩みが展示に盛り込まれた」とし、「特に床、衣服、食器など、ハングルの造形美を利用した商品を通じて、観客が興味を持つことができるようにした」と明らかにした。日常で使用できる製品を製作して大衆の関心を誘導しながら、その製品の中でハングルという文字の美しさを感じるようにしたという。

5日、中区統一路(チュング・トンイルロ)の「文化駅ソウル284」で開幕する「国際タイポグラフィビエンナーレ」は、観客の口コミで今年で6回目を迎えた行事だ。「日常的に接する文字がもつ美的価値を認識し、様々な芸術的可能性を探索する実験の場」と紹介された。前回の展示について観覧客がソーシャルネットワークサービス(SNS)を通じて、「文字だけで美しさを感じることができた」「文字をどのように見えるようにするかによって、世界が変わることもありうるという考えを持つようになった」などの反応を見せた。今年は世界22カ国から127チームの作家が参加して、文字と物事との関係を照明する。

文字を鑑賞の対象として照明する最近の傾向と観客の呼応について、キム・ウンジェ学芸研究士は、「デザインは、生活を変化させ、時代的課題を解決するために重要な役割を果たし、社会のより良い方向に改善できる」とし、「文字は、その国の文化的アイデンティティになり、ユーザーの生活を変化させることで、巨大なデザイン・プロジェクトになる」と述べた。


金志映 kimjy@donga.com