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「あなたたちは一人ではない」

Posted September. 12, 2019 08:28,   

Updated September. 12, 2019 08:28

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奇跡が起こった。9日午後6時(現地時間)、米沿岸警備隊(USCG)のツイッターに「最後のゴールデンレイ号の乗組員を無事救出した」というニュースが上がってきたのだ。現代(ヒョンデ)グロービスの完成車運搬船ゴールデンレイ号が、米ジョージア州ブランズウィック港から12.6キロ離れた海で転倒した事故が起きてから41時間ぶりのことだ。乗組員24人のうち20人はすぐに救助されたが、船舶に火災が発生して救助が中断された。30度を超える暑さに、火災まで重なって、船舶内部の温度は50度まで上昇した。残りの韓国人乗組員4人の生死を保証できなかった。

◆全長199.9メートル、全幅35.4メートルのゴールデンレイ号は、まるで丘が倒れたように見えた。消火活動に投入された沿岸警備隊員たちは、その丘の上に上がって生存者を探しに出た。船体を「とんとん」と叩く音で、彼らの位置を把握したのは9日昼。救助は急がないものの、緻密に行われた。沿岸警備隊員たちは、まず7.6センチの穴を開けてパンと水を供給し、内視鏡カメラで正確な位置を把握した。はしごを降ろす船体に穴をあけるのにドリルを使った。溶接は早いが、火花が飛ぶことを恐れたためだ。最後に救助された乗組員のAさんは、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「私たちは閉じ込められてじっと夜を明かしたが、救助隊は(パイプなどを)切り、無い道を作り、私たちを見つけるために夜を明かした」と話した。

◆今回のゴールデンレイ号の救助過程を見て、「ハドソン川の奇跡」を思い出した。2009年1月、ニューヨーク・ハドソン川にUSエアウェイズの飛行機が離陸から5分後に、エンジン故障で緊急着陸した。乗客が全員生存したこの事故は、映画「ハドソン川の奇跡」で作られた。映画では、機長の鋭い判断と献身的な救助活動などの英雄的行動が感動を与えたが、その後に発刊された事故調査報告書では、徹底した災害への備えのおかげで人命被害を最小限に抑えられたという結論を下した。この報告書は、事故直後、各機関に緊急警報が伝えられ、救助船が動き、救急車が集結するまでの一糸乱れぬ動きを秒単位で記録した。

◆ゴールデンレイ号の救助作業を指揮したロイド・ヘフリン中尉は、「彼らが『とんとん』という生存シグナルを出したとき、外で船体を夜通し叩いたのは、決して(生存者らの)そばを離れないという私たちの応答のメッセージだった」とし、 「あなたたちは一人ではないことを知らせなければならなかった」と話した。そのおかげで「私たちは死なない」を繰り返しながら、船体を叩いていた生存者たちは、希望を捨てなかった。喜んで、黙々と他人の命を守るために死力を尽くす彼らのおかげで、社会の安全弁が堅い。私たちは一人ではない。


禹慶姙 woohaha@donga.com