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中古取引の収益が侮れない、「商売の味」に陥る

中古取引の収益が侮れない、「商売の味」に陥る

Posted September. 07, 2019 08:13,   

Updated September. 07, 2019 08:13

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ソウル松坡区可楽洞(ソンパグ・カラクドン)に住む30代のユン氏は、今年初め、江南区西水洞(スソドン)の新居に引っ越す際、モバイル中古取引プラットフォーム「タングン(ニンジンという意)マーケット」に初めて接した。捨てるにはもったいないものを処理する方法を探していたが、居住地周辺の住民たちと直接取引できる方法を知ったのだ。ユン氏は、ガスレンジ(7万ウォン)からブラインド(1万ウォン)、スターバックスダイアリー(6000ウォン)、ウェディングシューズ(3000ウォン)、ギネスビールグラス(500ウォン)などを様々な価格で売りながら、商売の楽しみに目覚め始めた。

最近では、イベント商品としてもらったギャラクシーS10eの新しいスマートフォン(50万ウォン)をはじめ、三星(サムスン)空気清浄機(23万ウォン)、脚のマッサージ機(8万ウォン)、トレンチコート(3万5000ウォン)などを売った。このようにして、この8ヶ月間で計96万ウォンを稼いだ。ユン氏は、「お金になるとは考えてもいなかったものを一つ二つ処分して、お金を稼ぐ楽しみがかなりある」と話した。

中古取引プラットフォームで「商売の楽しさ」に気づいた利用者が増え、中古取引市場が着実に成長している。「ボンゲ(雷という意)市場」(2010年に立ち上げ)、「タングンマーケット」(2015年)に次いで、韓国国内最大規模の「中古ナラ(国という意)」(2016年)までがモバイルサービスに乗り出すと、中古市場の規模がさらに大きくなっている。中古ナラの年間売上高は、昨年の2兆8421億ウォン(ネイバーカフェ+モバイル)から今年は3兆5000億ウォンに達すると見られる。業界2位のタングンマーケットの年間売上高も、2016年の46億ウォンから昨年は2178億ウォンへと膨らみ、今年も8月まで3393億ウォンを記録した。

徐鏞求(ソ・ヨング)淑明(スクミョン)女子大学経営学部教授は、「不況で減少した可処分所得を補うために、使えそうな製品を売って収益を上げる人々が増えている」とし、「中古取引プラットフォームが発達したうえ、過去と違って中古取引をトレンディな消費と考える需要者が増えているので、供給と需要が合っている」と語った。

●中古取引で月20万~30万ウォンの収益

中古取引プラットフォームで着実にモノを売る人たちは、月平均20万~30万ウォンほどを稼ぐと推定される。個人ごとに違いはあるが、使わない物やプレゼントされたもの、ギフト商品などを継続して販売したときに可能な金額だ。ユ・スンフン中古ナラ室長は、「出すものが多い引越しシーズンは、会員の利益が大幅に伸びる時期だ」とし、「中古取引を副業とした後、専業として飛び込む会員もいる」と話した。

ソウル松坡区に住む30代後半の会社員のキム某さんは、子供のものを片付いたことで、中古取引の楽しみに嵌っている。ベビーベッド、ベビーカーに次いで、教育目的のためにテレビまで売って、この2年間で432万ウォンを稼いだ。最近は5000ウォン台の飲み物を購入できるスターバックスやコーヒービーンの無料飲み物クーポンを、たびたび3000ウォン台で売って利益を上げる。キム氏は、「外部会議が多く、コーヒーをよく飲んでいるが、この時にできたクーポンを割合安価に売って貯金している」と話した。

中古取引の販売者たちは、自分には要らないものが誰かには必要なものになるウィンウィンシステムに魅力を感じると言う。ビューティーメーカーに勤めている20代のノ某氏は、海外から直接購入した靴のサイズが合わず、中古市場で売った。プレゼントされたものの中から、使わないものを着実に売りに出して、昨年11月から今年8月まで8件の商品で200万ウォンを超える取引を成立させた。ノさんは、「家で場を塞いでいたものだったが、お金を稼ぐことができるのでいいし、購入者はより手頃な価格で必要なものを入手できるのでいいと思う」と語った。

●進化する売り手と買い手

かつての中古取引と変わったことは、売り手と買い手のレベルが多岐にわたって高まったことだ。販売者たちは、各中古取引プラットフォームでの「評判管理」に力を入れる。購入者の評価が累積されて表示される「等級(中古ナラは色、タングンマーケットは温度)」が取引成功率を高めるためだ。中古ナラでのフォロワーともいえる「常連客」だけで700人を確保したチェ・ヒョンギョン氏は、育児休業後月に80万~120万ウォンほどを稼いでいる。チェ氏は、「顧客が望むものを手に入れて掲載することもあるし、顧客の質問に詳細に答えてコミュニケーションを図ったところ、収入が増えた」と話した。

専門販売業者に劣らないノウハウも活かされている。製品の写真を様々な角度から少なくとも8枚以上撮って掲載し、傷などの欠陥は素直に明らかにして信頼性を高めることが重要だという説明だ。中古ナラの利用しているパクさんは、「タイ旅行後に残った現地通貨(バーツ)を、単位ごとにいくらずつあるのか写真を撮って掲載し、タクシー乗車やホテルのチップなど、さまざまな状況での活用方法まで書いて販売した」と伝えた。

購入者は、単に製品を安く買うことから脱して、ものを売り返したときの価格まで考慮している。中古取引で子供のおもちゃを頻繁に購入するチョン某氏は、昨年40冊の童話全集2セットを中古で買いながら、しばらくためらった。全80冊のうち2冊がない状態なので、今後売り返す時にまともな価格で売るのが難しいような気がしたからだ。チョン氏は、「急いでいた上、面倒だったので買ったものの、売り返しを考えて全集の場合は、漏れた本のない、いわゆる『A級」のみ探しているママも多い」と伝えた。

詐欺被害を予防するための購入者のノウハウもたまっている。必ず売り手と直接電話して音声などの証拠を確保して、中古ナラが提供する販売者の「詐欺履歴」を問い合わせたり、対面取引でない宅配取引時には「安心決済」サービスを利用することもある。安心決済サービスは、買い手がイニシスなどの安全決済サービス会社にお金を送って商品を受領後、「購入確定」を押してこそ売り手にお金が入金される方式だ。


シン・ヒチョル記者 hcshin@donga.com