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金姸兒とBTSが奇跡であるように三星と現代も奇跡だ

金姸兒とBTSが奇跡であるように三星と現代も奇跡だ

Posted August. 26, 2019 07:45,   

Updated August. 26, 2019 07:45

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6月末、欧州最大手の通信会社ドイツテレコムのティモテウス・ヘッティゲス会長にインタビューする機会があった。2015年から2年に一度、50人余りの経営陣を集めて一週間、グローバルワークショップを行うが、初年度は米カリフォルニア州スタンフォード大学で、2017年はイスラエルで、今年はソウルで行われた。

なぜよりによってソウルかという質問に、彼はこう答えた。「韓国は変身に強い国だ。この国が30~40年間で完全に変わったのを見れば、不可能なことは何もないことが分かった。集中力をもって熱心に働きながら、完璧主義を追求する人々がこれを可能にする。韓国からインスピレーションを得たいと思う」。彼はSKTと三星(サムスン)電子の経営陣に会って、第5世代(5G)モバイル通信の商用化と関連した協力について議論して帰った。

海外の経営者に会えば韓国の成果、韓国人の可能性について賞賛し、羨ましがることが多い。「漢江(ハンガン)の奇跡」が象徴する過去の成長スピードだけでなく、韓国企業の現在の業績を認めているからだ。ヘッティゲス会長がSKTと緊密な関係を持つようになったきっかけは、2016年のモバイル・ワールド・コングレス(MWC)だった。すぐ隣のSKTブースに、人工知能(AI)サービス、地図システム、ペットサービスなど、自分が具現したいすべてのサービスが展示されているのを見て、惚れて経営陣を訪ねて縁を結んだ。

人口が約5000万人に過ぎない大韓民国が、世界でトップとなっている分野は多様だ。今年第2四半期に売上高基準で、全世界で売れたテレビ10台のうち5台が三星電子とLG電子のブランドだった。かつて韓国企業が羨望していた日本のソニーは、テレビの世界市場シェアがわずか8.8%だった。衣類乾燥機、洗濯機、無線掃除機などの生活家電は、LG電子が米ワールプールを抜いて、上半期の売上高が世界トップだった。三星電子は、生活家電で13期連続で米国市場を総なめした。みんなが知っているスマートフォン、Dラム半導体はもっと言えば口痛いほどだ。現代(ヒョンデ)自動車グループのジェネシス、現代、起亜の3つのブランドも、米国の有名市場調査会社JDパワーの「2019新車品質調査」で1~3位を総なめした。製造業だけではない。通信会社は、今年世界で初めて5Gサービスを商用化することに成功したし、仁川(インチョン)空港は国際空港協議会(ACI)の空港サービス評価(ASQ)で11年連続でトップとなっている。

ところが、このように成果を出している韓国企業に対して、海外評価と私たちの内部評価は、ある瞬間からかけ離れている。世界市場で活躍するためには、韓国でも市場支配力の大きい大企業になることが当然なのに、大企業という存在自体がまるで大きな誤りでもあるような雰囲気がある。企業について誇りを感じれば、時代遅れのように見なされることもある。韓国の素材部品産業が育成されていない責任を、大企業に押し付ける一部の政界の声からも分かるように、システムの問題も大企業のせいにする見方がある。そのため、とある大企業は、内部で「私たちはなぜ嫌われるのか」と真剣に悩んだこともある。

韓国の大企業も、芸能人やスポーツスターのように、ただ誇りの対象になるといけないのか。フィギュア女王金姸兒(キム・ヨンア)が欧米のスポーツだと思い込んでいたフィギュアスケートで美しく、強靭なプログラムで金メダルを取ったとき、BTSD通じる防弾少年団が今年ビルボード・ミュージック・アワードで本賞を受賞したとき、私たちは悩まずに歓声を上げる。金姸兒を、BTSを自分と同一視し、愛着関係を形成するからだ。

厳しい環境で奇跡を成し遂げたという点で、金姸兒・BTSと三星、現代は変わらない。すでに韓国代表選手たちは一流だ。そして国の自尊心はメンバーが一流のときに一緒に上がる。


ハ・イムスク記者 artemes@donga.com