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最低賃金問題で謝った文大統領、守れない公約の修正を躊躇ってはならない

最低賃金問題で謝った文大統領、守れない公約の修正を躊躇ってはならない

Posted July. 15, 2019 07:37,   

Updated July. 15, 2019 07:37

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、2020年の最低賃金が2.9%高の8590ウォンに決まったことに関連し、「『3年以内に最低賃金1万ウォン』公約を達成できなくなったことについて、非常に残念で申し訳なく思う」と述べた。金尚祚(キム・サンジョ)大統領府政策室長が昨日の政策ブリーフィングで明らかにした。

文大統領は先の大統領選挙で、2018年から2020年までの3年間、最低賃金を1万ウォンに引き上げると公約した。これは2017年の最低賃金が6470ウォンだったことを勘案すれば、3年間で54.6%、3年間毎年平均18%ほどずつ引き上げなければならない数値だ。これに合わせるためには、2020年度の最低賃金を再び19.7%を引き上げなければならないが、この2年間29%を引き上げた結果、韓国経済に与えた影響を考慮すれば、事実上不可能な数値だった。大統領がそもそも現実性のなかった最低賃金1万ウォンの公約について、遅ればせながら今でも守ることができなくなったと率直に認めたことは、むしろよくやったことだ。

金室長は昨日、過度な最低賃金引き上げは、利益を得た労働者のほか、零細自営業者や中小企業には大きな負担になったことを認めた。しかし「今回の最低賃金の決定が所得主導成長の廃棄もしくは放棄を意味するものと誤解されないことを願う」と取り分け強調した。これからは直接賃金を引き上げる政策よりは、最小限の社会保障制度の恩恵を受けられない低所得労働者に生計費などを補助するEITC(勤労奨励税制)、韓国型失業扶助、健康保険料保障強化などを通じて包容政策をさらに強化するというものだ。

先進国に比べて福祉が相対的に脆弱な状況下で、これらの政策を強化するという趣旨に大きく反対する人はいないが、韓国の財政が耐えられるほどの速度と幅で進められるべきだ。最低賃金の過度な引上げが雇用に悪影響を及ぼし、脆弱階層の所得をかえって減少させる副作用を招いたように、他の包容政策のオーバーペースも財政などで深刻な副作用を生みかねない。例えば、文在寅ケアが健康保険財政に深刻な影響を与えるなど、福祉政策の拡大により社会保険の財政が揺れている。

任期の半分も過ぎていない政府が、看板の経済政策だった所得主導成長について、公に廃棄あるいは放棄を口にするのは容易なことではないだろう。しかし、これまで行ってきた政策を一つずつ深く精査し、ペースを調整すべきものは調整し、廃棄するべきものは廃棄する手順を踏むならば、それこそ、より勇気のある選択と評価されるだろう。