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政治・外交争いに経済を生贄にする反自由貿易的な韓日の葛藤

政治・外交争いに経済を生贄にする反自由貿易的な韓日の葛藤

Posted July. 03, 2019 08:52,   

Updated July. 03, 2019 08:52

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安倍晋三首相は2日、韓国に対する輸出規制について、「国と国との信頼関係の上に行ってきた措置を見直したということだ」と述べた。韓国大法院(最高裁)の元徴用工判決で信頼関係が損なわれたことによる報復措置であることを事実上、認めたのだ。その一方で、韓国政府のWTO(世界貿易機関)提訴の方針に対しては、「WTOルールと整合的でなければならないという考え方だ。自由貿易とは関わりない」と主張した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの問題に対しては言及していない。

日本は、輸出規制の理由として、信頼関係が損なわれたことを挙げながらも、報復措置ではなく「安全保障のための輸出管理」とつじつまの合わない二律背反的説明をしている。外交事案を経済的報復で対応する幼稚なやり方だが、WTO提訴を意識して表向きには報復措置ではないと強弁しているのだ。日本はこれに止まらず、規制品目の拡大、関税引き上げ、ビザ発行の制限など追加の報復措置もほのめかしている。日本国内では、韓日の対立で最後に笑うのは中国だと懸念する声も出ているが、安倍氏が直接出て決戦に向かう構えだ。

韓国政府の対応は安易でただ無力だ。日本は早くから経済報復を予告していたが、日本経済にも打撃となるため実行の可能性は低いと見て、対策を準備していなかった。韓国企業への打撃が大きいにもかかわらず、政府の唯一の対応であるWTO提訴は最終判決まで2年以上かかり、実効性が疑わしい。別の対策として韓国国民の日本旅行の制限が議論されているが、このカードは韓日関係を後戻りできない状況に追い込むだけだ。

問題は、このように極限に突き進む対立を解くための外交チャンネルが麻痺した状態ということだ。これまで政府は、「大法院の判決に政権は介入できない」とし、韓日外交を放置した。日本も解釈の論議がある韓日基本条約を取り上げて、「国際法違反」とただ反発した。韓日が「過去ではなく未来を見よう」としながらも、互いに向き合わず、国内支持層だけを意識しているためだ。

大法院の判決後、東海(トンヘ・日本海)上でのレーダー照射事件などを経て、韓日両国は外交ではなく、プライドをかけた感情争いだけ繰り広げた。特に、露骨に反韓感情を煽ってきた安倍政権は、関係のない経済を生贄にしている。韓日いずれも自由貿易を基盤に今日の経済成長を果たした代表国家だ。そのような国家間で自由貿易に真っ向から反する政治的目的の経済圧迫が起こることは実に恥ずべきことだ。韓日いずれも国内政治と支持層を意識した感情的対応は、国際社会に嘲笑されるだけであり、国益を深刻に損なう自害行為だ。今からでも冷静を取り戻し、解決策を見出すための真剣な外交努力を始めなければならない。