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訪朝説の習近平氏、非核化を妨害してはならない

訪朝説の習近平氏、非核化を妨害してはならない

Posted June. 18, 2019 08:26,   

Updated June. 18, 2019 08:26

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中国の習近平国家主席が今月末の主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議の前に北朝鮮を訪れ、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と首脳会談を行うという観測が流れている。2月のハノイでの米朝首脳会談の決裂後、北朝鮮が一切の対話を拒否する状況で、今月末のG20首脳会議を前後して習氏の訪朝が実現するなら、北東アジアの情勢に微妙な変化を生むイベントになり得る。

秘密を相手国への礼遇と考える中朝関係の特性のため、習氏の訪朝は公式発表があるまで確認できない。正恩氏がすでに4度も中国を訪問したため、今年上半期中に習氏の答礼訪問があると予想されたが、ハノイ会談が決裂して習氏の訪朝は先送りとなった。

今回、習氏の訪朝推進説は、米国との貿易・技術問題のうえ台湾・香港をめぐる内政干渉論議という対立状況から出てきた。中国は、一昨年の米中貿易対立の時のように、今回も米中対決のテコであり反転カードとして北朝鮮核問題を持ち出すという観測が流れている。習氏としては、正恩氏の後見人として影響力を確認する一方、G20で会うトランプ米大統領に北朝鮮の解決法を示し、米中対立の休戦を狙う可能性もある。

最近、北朝鮮は韓米の相次ぐ対話再開要請にもかかわらず、黙殺し無返答で一貫している。これまで北朝鮮の立場を配慮してきた文在寅(ムン・ジェイン)大統領まで、北欧歴訪で繰り返し北朝鮮に先に核廃棄の意思を示すよう呼びかけたのは、それだけ北朝鮮に対するもどかしさと失望感を反映している。

このような時に習氏の訪朝がなされるなら、北朝鮮が対話再開に出る契機になる可能性もある。中国の対北外交は、正恩氏の非核化決断を迫り支援することでなければならず、中朝密着をアピールして、正恩氏に別の考えをさせるようにしてはならない。特に、中国が出て国際社会の北朝鮮への制裁戦線を壊すなら、後戻りできない結果を生むだけだ。北朝鮮が昨年初めに交渉に出るほかなかったのも、中国まで制裁に参加したことによるものだ。