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獅子紋章の重さ

Posted June. 18, 2019 08:29,   

Updated June. 18, 2019 08:29

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人類の歴史を変えた発明を選べと言われたら、私は銃をお勧めする。専門家らは自分の領域が重要だと思う傾向がある。そのような観点から見れば、ペンや筆が銃より大きな役割を果たしたのかも知れない。それでも私は銃を支持する。

銃は戦闘方法を変えただけではない。以前は騎士や武士を育成するためには10年、20年の修練が必要だった。銃は3週間のトレーニングであれば、より強い兵士を作り上げる。これにより戦争に存在していた身分の壁が崩れた。

近代民主主義が成立するのにはいくつかの要因があるが、人々が見落としている要因が戦争の身分障壁である。人類が初めて共同体を作り、誰かに力を与えるときは、強圧によるものではなかった。共同体の必要によって権力者に服従したのである。その中での最優先事項が共同体の生命と財産の保護だった。

ライオンの群れの雄は、挑戦者に負ければ群れから離れなければならない。もはや群れの安全を保障できないという事実が証明されたからだ。英王室をはじめ、欧州王家、領主の紋章に、とりわけライオンが多い理由も、権力のこのような属性を理解していたからかもしれない。私たちが尊重するノブレス・オブリージュも、高貴な精神から起源したものではない。権力の源が力を失えば、群れを離れなければならないライオンの宿命と触れ合っているという自覚から起源したものである。

このように、権力と特権は、保護の義務を通じて可能だったが、銃がその保護能力を大衆に開放したのである。しかし、人間はずるく、ライオンの運命を避ける方法も見つけた。その結晶体が国家である。国と官僚組織は、責任回避の手段を設けた。戦争が起これば、王と文官は逃げても、権力に傷がつかなかった。将軍と兵士に責任を転嫁すればいい。韓国の歴史を見れば、国が早く発達したおかげで、この要領をあまりにも早く悟った。今になって封建制に戻ることもできず、獅子紋章を導入しなければならないのだろうか?

歴史学者