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「一度の充電で500キロ走る」 SKが新規自動車バッテリーの年内開発を目指す

「一度の充電で500キロ走る」 SKが新規自動車バッテリーの年内開発を目指す

Posted May. 28, 2019 08:54,   

Updated May. 28, 2019 08:54

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SKイノベーションは年内に、一度の充電で最長で500キロまで安定して走行できる高性能電気自動車のバッテリーを世界で初めて開発し、早ければ2021年から商用化するという抱負を明らかにした。また、2025年までにバッテリーの生産規模を現在の20倍以上に拡大する。積極的な投資と技術開発を通じて、2025年に世界の電気自動車バッテリー市場で3位に跳躍するという目標を立てている。

SKイノベーションのキム・ジュン総括社長(写真)は27日、ソウル鍾路区(チョンノグ)にあるフォーシーズンズホテルで記者懇談会を開き、このような内容を盛り込んだ成長戦略を明らかにした。年内開発を公言した次世代電気自動車のバッテリーは、陽極材として使われる原材料のうちニッケルが90%、コバルトとマンガンが5%ずつ入る「NCM 91/21/2」だ。ニッケルの含有量が高いほどエネルギーの密度が高くなり、1回の充電でより長い距離を走行できるが、安定性を確保するためには高難度の技術が必要だ。現在、電気自動車のバッテリー市場では、ニッケルの割合がそれぞれ50~60%である製品が主力で、一度の充電で最大300キロ走行できる。

ニッケル含有量が80%であるNCM811は、SKイノベーションとLG化学、三星SDIなど韓国国内企業に次いで、世界第1位(出荷量基準)の電気自動車バッテリーメーカーである中国CATLも、先月量産計画を発表した。業界では、電気自動車のバッテリー市場で、大規模な政府補助金に支えられている中国業界と技術格差を維持しようとする韓国企業との対決が強まると予想している。

生産規模も大幅に増やす。現在、年間4.7GWh(ギガワット時)である生産規模を、2025年までに100GWhに増やす計画だ。現在建設中の中国常州とハンガリーのコマーロム、米ジョージア工場を稼働する2022年には年間生産規模が60GWhまで増える。受注残高目標量も、同期間の430GWhから700GWhに拡大することにした。

SKは、「サービスとしてのバッテリー(BaaS・Battery as a Service)」という新しいビジネスモデルも提示した。BaaSは、バッテリーの製造と販売だけでなく、修理やレンタル、充電、リサイクルまでを網羅する総合サービスだ。また、電気自動車のほか、航空、海洋および産業用などへとバッテリーの販売を拡大し、エネルギー貯蔵装置(ESS)事業にも本格的に参入することにした。

キム社長は、LG化学技術流出をめぐって米国で行っている訴訟について、「電池産業が本格的に成長し始めており、欧州までが独自開発に乗り出した状況で、(韓国国内企業間の戦いよりは)世界市場をリードしていくことが重要な時期だ」と遠回しに批判した。

韓国国内投資の割合が少ないという指摘についての釈明も出した。SKイノベーションのユン・イェソン・バッテリー事業代表は、「最近、自動車メーカーの購買量が大きくなり、完成車生産工場の周辺にバッテリー工場を建設する条件でバッテリーを購入している」とし、「国内受注が増えれば、当然、国内にも工場を建設することになるだろう」と説明した。政府の一部から推進説が出ている電気自動車バッテリー産業を基盤とした「欧米型雇用」については「答えるに適切でない」と言葉を慎んだ。


黃泰皓 taeho@donga.com