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ご存知ですか、宇宙は11次元

Posted May. 24, 2019 09:44,   

Updated May. 24, 2019 09:44

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「先生、4次元ですね」。時々こう言われる。まるで理解できない精神世界を持つ人のようだ、という意味で言ったのだろうが、気分は悪くない。世の中の人と少し違って見方で暮らすということに不便な点がないだけでなく、少し違っていても世の中に悪い影響を及ぼしたり物理的に世の中が変わりはしないからだ。

物理学者である私には、もっと複雑な次元の中を覗いてみたいという切なる思いがある。しかし、物理学はますます難しくなっている。簡単に問題を解いて論文を書くことができた若い頃があった。年を取った現象と考えられるだろうが、最近は論文を書くことが難しくなった。もはやすべて、私が今まで解くことができなかった難しい問題だけが残ったのだろうか。

数日前から、15年間乗った5等級ディーゼル車を廃車して、地下鉄を利用している。朝起きて地下鉄の駅のエスカレーターで降りると、まるで別の宇宙に行くために降りているような気分だ。地下鉄に乗った瞬間、ガタガタ音を立てる電車の中で、携帯電話を見る人、居眠りする人、音楽を聞く人、ぼんやりと上を見ている人。皆同じ電車に乗って素敵な1次元旅行をし、電車が停まれば各自の宇宙に向かう。

人間は3次元の生命体だ。2次元の平面なら代謝活動をすることはできない。消化器官を備えた元気な3次元の人間は、持続性という生命の条件を満足させるために時間が含まれた4次元の時空間が必要だ。人間の存在を説明するには4次元が必要なのだ。時間と空間は関係がないのではなく、影のように結びついた時空間で統合して存在する。

私たちはじっとしているが、新しい観点とパラダイムの時代が訪れている。最近になって、超ひも理論とM理論が完成に向かっている。超ひも理論とM理論は宇宙を成す空間が、日常的な3次元でなく11次元の超空間の中で存在すると説明する。自然に存在する様々な粒子や物質はひもや膜(membran)でできており、これらが振動するパターンによって私たちの目にはそれぞれ違う姿で見えるということだ。

このような難しい理論が必要だろうか。日々の暮らしも手に余るのに。しかし、周知のとおり、このような理論があってこそ、私たちは宇宙と私たちの存在を説明することができる。宇宙に比べれば人間はホコリほどに小さく、このような人間の目を通して見る世の中は限られている。丸い紙面も平らに見える。3次元の建物が直線に見えるように、宇宙は途方もないスケールで繰り広げられているため、私たちの目には4次元の時空間のように見えるのだ。

4次元を生きる地球の生命体に経験することができない時空間は、明らかに存在する。人間が基準なら、4次元の空間で十分だ。しかし、私たちが見ることができず到達できない時空間は存在する。地球を象が支えていると考えた時もあり、太陽が地球を回っていると考えた時もあった。4次元の空間と説明された時代が、今や11次元に拡張されている。私たちはじっとしているが、世の中が変わっているのだろうか。さもなければ私たちが変わっているのだろうか。