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トランプ氏まで参加した中絶論争、大統領選の争点に急浮上

トランプ氏まで参加した中絶論争、大統領選の争点に急浮上

Posted May. 21, 2019 10:30,   

Updated May. 21, 2019 10:30

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米アラバマ州が強姦および近親相姦による妊娠の中絶まで禁止する強力な法案を通過させると、中絶論争が2020年の大統領選の主要テーマに浮上する様相だ。民主党の女性大統領選候補らは一斉に反対の意向を明らかにし、共和党とトランプ政権に対抗している。

トランプ米大統領は18日、自身が中絶反対論者であることを明確にしながらも、3つ例外条件を提示した。トランプ氏はツイッターに、「私は強固に『プロライフ(生命を尊重する立場)』だが、性的暴行、近親相姦、妊婦の生命を保護しなければならない時は例外」と主張した。また「これはレーガン元大統領が取った立場と同じだ」とも述べた。

1967年、当時カリフォルニア州知事だったレーガン氏は、性的暴行や近親相姦など例外的なケースに限って中絶を可能にする法案に署名した。トランプ氏の発言は、中絶に反対しないという点は明確にして保守有権者の支持を得る一方、アラバマ州の強力な中絶禁止法には線を引いて女性有権者を刺激しないようにする狙いがあるとみえる。

しかし、米メディアは、トランプ氏の発言が中絶をめぐる賛否両論に油を注いだと指摘した。米紙ワシントン・ポストは同日、「大統領まで中絶論争に割り込んで共和党内の分裂を招いた」と診断した。州議会で通過した法が、ワシントンの中央政界の雷管になったということだ。世論調査会社ギャラップの昨年の調査によると、米国人の60%は初期中絶は概ね合法的に許されなければならないという意見だ。また、64%の回答者は、「1973年に女性の中絶権を認めた『ロー対ウェイド』判決が覆されてはならない」という考えを示した。

今週だけで少なくとも6市民団体が、アラバマ州の法案に反対して全国的にデモに行う予定だ。これらは、共和党地方区の女性有権者を狙って、アラバマ中絶禁止法の問題点を指摘する大規模な広告も掲載する予定だ。

民主党大統領候補も動き出した。カーステン・ギリブランド上院議員(ニューヨーク)は同日、CBSに出演し、「大統領が米国の女性たちに戦争をしかけた。彼が望む戦争だが最終的に大統領が負けるだろう」と述べた。バーニー・サンダース上院議員(バーモント・無所属)も「医師と相談した結果によって女性が中絶を決める自由がなければならない。医学の問題が政治問題になった」と非難した。

激しい反対世論に直面した共和党議員はあいまいな態度だ。コリー・ガードナー上院議員(コロラド)は米政治メディア「ポリティコ」に、「中絶に反対するが、各州が決定する問題」と述べた。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com