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「弾道ミサイル」の免罪符を与えて南北関係が好転しても、どれだけ続くだろうか

「弾道ミサイル」の免罪符を与えて南北関係が好転しても、どれだけ続くだろうか

Posted May. 18, 2019 10:00,   

Updated May. 18, 2019 10:00

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在韓米運は、北朝鮮が4日と9日に発射したミサイル3発がすべて同じ種類の新型短距離弾道ミサイル(SRBM)であると暫定結論を下し、「KN-23」という識別コードまでつけた。

しかし、韓国政府と軍は17日も、「韓米が共同で飛翔体の細部の特性とスペックを精密に分析している」と従来の立場を繰り返した。その代わりに、政府はこれまで留保してきた国際機関の人道的支援事業に800万ドルを執行することを決め、開城(ケソン)工業団地の入居企業関係者の訪朝も承認した。

政府も、北朝鮮が発射した飛翔体が弾道ミサイルという評価に対しては否定はしていない。すでに韓米がそのような分析結果を内部で共有したことも認めるムードだ。ただし、鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は17日、「それは在韓米運司令部の公式の立場ではない。これまでの韓米の公式の立場は、両国政府が緊密に分析しているということだ」と述べた。弾道ミサイルと分析されるものの、まだ「公式の結果」ではなく、韓米共同の確定手続きが残っているというニュアンスと読める。

このように政府がためらうのは、南北関係を考慮した政策的判断のためだろう。北朝鮮の飛翔体が弾道ミサイルであるという結論が出れば、「弾道ミサイルの技術を利用したすべての試験発射」を禁じた国連制裁決議の明白な違反であるため、北朝鮮に対する糾弾と警告、さらに軍の対応措置も伴わなければならない。しかし、北朝鮮への人道的食糧支援まで提示し、北朝鮮との対話修復を図りたい政府としては、北朝鮮を刺激するのではないかと心配していると見るほかない。

政府が「韓米共同の分析」を掲げ、それとなく米国に最終判断の責任を転嫁するムードもうかがえる。しかし、北朝鮮が発射した弾道ミサイルは、正確さと破壊力を高めた新型機種で、韓国全域を射程圏に置き、小型核弾頭の搭載も可能だ。落下の段階でターゲットを追跡する誘導技術まで備え、迎撃することも難しい。海の彼方の米国では「短距離ミサイルにすぎない」と軽く見るかも知れないが、韓国には直接的で現実的な脅威である。

にもかかわらず、どのような脅威的挑発なのか規定すらできず、あいまいにすることがあってはならない。もし南北関係のために何もなかったかのようにやり過ごすなら、北朝鮮の挑発に免罪符を与え、金正恩(キム・ジョンウン)政権を一層意気揚揚とさせる結果を生むだけだ。さらにそうして南北関係が好転しても、その関係が長く続くことはできない。問うべきことははっきりと問い、韓国の態勢を堅固にする契機にしなければならない。そしてこそ今後の南北関係も正常に発展させることができる。