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カンヌ国際映画祭の「寄生虫」、パルムドールはなるか

カンヌ国際映画祭の「寄生虫」、パルムドールはなるか

Posted May. 13, 2019 08:34,   

Updated May. 13, 2019 09:17

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14日(現地時間)に開幕する第72回カンヌ国際映画祭の公式ポスターには、小柄な女性がスタッフの背中を踏み台にしてカメラのファインダーをのぞく姿が描かれた。ポスターの女性は「ヌーヴェル・ヴァーグの祖母」と呼ばれたフランス人女性監督、アニエス・ヴァルダ氏(1928~2019)。カンヌ映画祭側は、「65年間、ヴァルダ氏が映画を通じて見せた創造と実験的精神は、毎年さらなる高い理想を目指すカンヌ映画祭の歴史に相違ない」と明らかにした。

パルムドールを競うコンペティション部門には、カンヌですでに何度も受賞した「常連」監督のほかに、芸術性、実験的精神が際立つ新鋭監督21人がノミネートされた。何より2017年の「オクジャ」に続き2度目のコンペティション部門に進出した奉俊昊(ポン・ジュンホ)監督の「寄生虫」が受賞するかどうかが国内映画ファンには大きな関心事だ。

21日(現地時間)夜、カンヌで上映される「寄生虫」は、無職のキテク(ソン・ガンホ)の息子、キウ(チェ・ウシク)がグローバルIT企業を経営するパク社長(イ・ソンギュン)の家で高額の家庭教師をしてストーリーが展開していく。奉氏は先月開かれた記者懇談会で、「この映画は韓国的な作品なので、カンヌの観客は100%理解できないだろう」とし、「すごい監督が布陣していて受賞の可能性は低いが、俳優の受賞の可能性は高い」と話した。

 

コンペティション部門にノミネートされた監督の中で、パルムドールを受賞した経験のある監督が5人もいる。競争は熾烈で、奉氏が受賞するかどうかは予測が難しい。「Sorry We Missed You」でカンヌに来たケン・ローチ監督と「Young Ahmed(Le jeune Ahmed)」でノミネートされたジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督、「A Hidden Life」のテレンス・マリック監督がパルムドールを受賞している。「Mektoub, My Love: Intermezzo」のアブデラティフ・ケシシュ監督、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のクエンティン・タランティー監督もパルムドールの受賞経験がある。カンヌに計6回目ノミネートされたグザヴィエ・ドラン監督(「Matthias and Maxime」)とペドロ・アルモドバル監督(「Pain and Glory」)、オーピング作「The Dead Don't Die」のジム・ジャームッシュ監督もコンペティション部門にノミネートされた巨匠だ。

映画評論家のカン・ユジョン氏は、「奉俊昊氏のカンヌ進出は、カンヌが韓国をもはや辺境の市場と見ていないことを証明する。昨年アジア系の監督である日本の是枝裕和監督がパルムドールを受賞したが、今年は特に錚々たる監督が布陣しているので、閉幕まで受賞するかどうか予測することは容易でないだろう」と話した。

 

韓国映画は「寄生虫」のほかにも、イ・ウォンテ監督の「悪人伝」がミッドナイト・スクリーニング部門にノミネートされた。ヨン・ジェグァン監督の「リョンヒ」が学生コンペティション部門であるシネフォンダシオン、チョン・ダヒ監督の短編アニメ「Movements」が監督週間にノミネートされた。

犯罪組織のボス(マ・ドンソク)と刑事(キム・ムヨル)が、連続殺人犯を捕まえるために協力する内容の「悪人伝」は、米ハリウッドでも製作が確定した。マ・ドンソクは、「ランボー」の俳優シルベスター・スタローンと米バージョン「悪人伝」を共にプロデュースすることになったと明らかにした。映画「ランボー5」でもランボーを演じたスタローンは、今回の映画祭に参加し、「ランボー:ファースト・ブラッド」(1982年)の特別上映会を行う予定なので、スタローンの長年のファンだというマ・ドンソクとの出会いが実現するか注目される。

一方、昨年に続き今年もカンヌでネットフリックス映画は上映されない。ネットフリックスが製作したマーティン・スコセッシ監督の「アイリッシュマン」を今年ノミネートすることが議論されたが、映画後半の作業が遅れたうえ、ネットフリックスとカンヌ映画祭側の意見の相違で実現しなかった。


李?? baltika7@donga.com