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[社説]米中貿易戦争の竜巻に「視界ゼロ」の韓国経済

[社説]米中貿易戦争の竜巻に「視界ゼロ」の韓国経済

Posted May. 13, 2019 08:34,   

Updated May. 13, 2019 08:34

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米国と中国が米国ワシントンDCで高官級貿易交渉を行ったが、折り合いをつけれらず、手ぶらで終わった。両国は交渉を続けることにし、来月末のG20首脳会談の直前にもう一度妥結を試みると予想される。しかし、世界1、2位の経済大国の貿易紛争は、米国が膨大な赤字を出している貿易不均衡の解消だけでなく、グローバル覇権をめぐる問題まで絡んでおり、再発したり、長期化する可能性が高い。

ただちに米国は10日午前0時を期して、2500億ドル(約300兆ウォン)分の中国産製品に対する関税を10%から25%に引き上げ、ドナルド・トランプ大統領はさらに3250億ドル分についても関税案を準備するよう指示した。米国が中国製品に高率の関税を課し、中国がこれに対して報復関税を課すような形で、関税爆弾戦争に火がつけば、米国は国内総生産(GDP)が0.31%ポイント、中国は1.22%ポイント下落するだろうというのが、国際通貨基金(IMF)の予測である。

米中貿易戦争が本格化して、これにより、世界貿易と景気が萎縮すれば、輸出依存度の高い韓国経済は直撃を受けることになる。韓国の輸出のうち、両国が占める割合は40%ほどになるうえ、中国の対米輸出が減少すれば、中国に中間財を輸出する韓国は、二重三重の打撃を受けることになる。昨年末から輸出が5カ月連続のマイナスである上、前期比1四半期(1〜3月)のGDPの伸び率もマイナス成長するなど、厳しい経済が立ち直る前に再び低迷に陥るのではないか懸念される。

韓国の金融市場は、グローバル経済に立ち込められた暗鬱な雰囲気に最も敏感に反応した。9日、両国の交渉が膠着状態に陥ったというニュースが伝わると、総合株価指数(コスピ)は3%も暴落し、対ドルウォン相場も1ドル=10ウォン以上もウォン安ドル高が進んだ。外部衝撃による一時的効果かもしれないが、企業の収益性悪化と経済成長の潜在力毀損への中長期的不安も無視できない。

不幸中の幸いと言えるのは、昨年から深刻化した米中貿易紛争の中でも、今年第1四半期の韓国の対米輸出が13%ほど伸びたことだ。中国の対米輸出の減少により、韓国が一部反射利益を得たと推定される。このように「クジラの戦い」の中で、韓国が割り込める隙間を積極的に攻略する必要がある。国内外の金融・為替市場がいつでも再び乱高下することもありうるので、非常態勢を維持しながら、輸出の多角化、内需振興など、多角的に経済の火種を蘇らすために努力しなければならない。