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北朝鮮の短距離挑発の危険性に対する韓米の認識の相違をなくすべきだ

北朝鮮の短距離挑発の危険性に対する韓米の認識の相違をなくすべきだ

Posted May. 07, 2019 09:03,   

Updated May. 07, 2019 09:03

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ポンペオ米国務長官は5日、北朝鮮の攻撃挑発と関連して、「中距離や長距離、大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではないという強い確信を持っている」と述べた。ポンペオ氏は、北朝鮮の東海(トンへ・日本海)に落ち、国境を越えなかったので、米国や韓国、日本にとって脅威ではなかったと強調した。北朝鮮のミサイル発射モラトリアム(核実験およびミサイル発射の凍結)違反かどうかについては、「モラトリアムはICBMシステムに焦点を合わせている」とし、違反でないという考えを明らかにした。

ポンペオ氏の発言は、北朝鮮が緊張を高めようとしているにもかかわらず、北朝鮮との非核化交渉を望むという北朝鮮へのメッセージだ。ポンペオ氏は北朝鮮が発射した戦術誘導兵器についても、「ミサイル」と規定しなかった。そして、「可能なすべての外交的機会を利用する」と北朝鮮に呼びかけた。ハノイでの米朝首脳会談の決裂後、米朝対話が膠着状態に陥ったが、挑発と示威の間で危険なゲームをする北朝鮮には振り回されないという意思表示だ。

実際に、北朝鮮は境界が曖昧なグレー地帯を狙った巧妙な挑発で、韓米同盟の分離を狙っている。中・長距離ではなく短距離ミサイルで米領土を脅かすレッドライン(禁止線)は避けながら、徐々に後方に追いやられる核問題に関心を引くというお決まりの手法を再び使ったのだ。にもかかわらず、北朝鮮の挑発に韓米間の対応は混乱を露呈した。特に、韓国政府は当初、「ミサイル」と発表したが「発射体」に修正するなど混乱した対応で北朝鮮にまんまと乗せられた格好になった。さらにポンペオ氏の発言は、長距離ミサイルではないので米国にとっては脅威ではないかも知れないが、その射程圏内にある韓国は眼中にないという話に聞こえさえする。

韓米間の調整された対北政策は必須だ。しかし、韓米が北朝鮮の挑発の危険性に対する評価と対応まで全く同じということはあり得ず、また全く同じあってはならない。北朝鮮の短距離兵器の射程圏内にある韓国と遠く離れた米国が感じる脅威が同じであるはずがないためだ。韓国に明白で実質的な脅威に対しては、断固たる対応で北朝鮮が錯覚から目を覚ますようにしなければならない。それに対して米国も韓国と共同の認識を持つことが、同盟の価値ではないだろうか。