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不老長寿の薬と火薬

Posted May. 07, 2019 09:03,   

Updated May. 07, 2019 09:03

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火薬は中国で初めて発明されたという。道教の仙人たちが不老長寿の薬を作るために、硫黄やわらむしろなどを加熱して爆発させ、火薬を発明したという話が伝えられている。不老長寿の薬が人類最大の殺人物質になったことは皮肉と言える。

火薬に関するもう一つの皮肉がある。火薬の製法を初めて発見した中国人は、その軍事的価値を見落として、主に爆竹や遊び道具として使ったのだ。実際に火薬を武器に利用した人は、一歩遅れて中国から製法を得た欧州人たちだった。

とある中国人はこの物語を、自分たちは平和を愛する民族という証拠だと主張するが、正しいことではない。中国人も、火薬の軍事的価値については以前から注目していた。中国の歴代王朝が常に恐れていたモンゴル族、満州族と戦うとき、民軍に勝利を抱かせる手段は火薬武器だけだった。火薬を適切に使用して威力を発揮した時は勝利し、それができなかった時は大敗した。

中国人も火砲を作ったが、明の時代にはすでに大砲の性能は、欧州がはるかに上回った。銃はもちろんのこと、銃と大砲を利用した戦術の開発は、比較できないほど欧米に遅れた。

その理由は、金属製錬のような兵器開発に必要ないくつかの補助的技術が遅れたためだ。より根本的には、技術を奨励し、開発する国家システム、あるいは社会的ダイナミックさにおいて、中国は西欧に遅れていた。国が投資と競争、市場を統制し、学問と思想、芸術を総動員して、国民に実用より高貴なものと道徳的な価値だけを差別的に高めたからだった。

実は中国を貶めるのも恥ずかしいことに、私たちは1960年代、70年代から、このような話をしてきた。すでに世界的産業国家になった今、私たちは変わったのだろうか?上辺は変わったようだが、根はそうではないようだ。社会は、より観念的価値を目指しており、論争的に変わっていく。そんな面だけを見れば、まるで朝鮮後期の社会を見ているような気がしてならず、残念なレベルを超えて憂鬱になる。