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若者よ、戦え

Posted January. 07, 2019 07:24,   

Updated January. 07, 2019 08:57

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最近、米国ニューヨーク・マンハッタンのサラダレストランには長い列ができた。新年に健康を保つと誓った人々だ。人がいっぱいだったファーストフード店は相対的に閑散としている。サラダレストランの長い列がどれほど長続きするかは今後を見なければならないが、健康な生活習慣に対する米国人の悩みは簡単に消えそうにない。

ニューヨークでは数年前から新年正月に禁酒する「ドライ・ジャニュアリー(Dry January)」が流行している。2013年に英国の非営利団体が公衆保険プロジェクトとして始めた運動が、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でうわさになり、米国まで広がった。参加を宣言した人だけで400万人にのぼり、かなり成功したキャンペーンだ。さらに酒の席が多い年末に「ドライ・デッセンバー」に挑戦する人も出てきている。

酒を1ヵ月間断てば、どんなことが起こるだろうか。英サセックス大学のリチャード・フィーバー教授が2018年1月にドライ・ジャニュアリーを実行した816人を6ヵ月後に追跡調査したところ80%が飲酒に対するコントロールができていることが分かった。飲酒の回数も1週間4.3回から3.3回に減った。

健康はボーナスだ。調査対象者の58%は体重が減り、54%は肌が良くなった。71%は良く眠れ、57%は集中力が良くなり、67%はよりエネルギッシュになったと回答した。88%は金を節約できたというから、経済的な面でも役に立ったわけだ。

 

これほど良いのに、問題は実践だ。韓国はアルコールの強い酒の消費量が多く、飲酒に寛大な「酒を勧める社会」だ。社会的文化、経済的環境、学歴など様々な要素が飲酒に影響を及ぼすという研究もある。韓国人が日本による植民地支配や韓国戦争、軍事独裁や経済開発などイバラの道と辛い労働の道を歩んできたことを考えれば、理解できないわけではない。

しかし、外国人の目には先進国の隊列に入っても「注げ、飲め」と言うのは不可解なようだ。中東のアルジャジーラTVは、若い男女が酒に酔ってふらつき、道端に倒れる韓国社会の赤裸々な飲酒文化を「韓国の二日酔い」というドキュメンタリーで放送した。米ニューヨークで韓国式焼酎を作るプレンダン・ヒルさんは、「韓国料理は世界で最も健康的な料理だが、胃がんにかかる韓国人が多いのは、酒の飲みすぎではないのか」と疑問を呈した。

韓国で飲酒による社会的コストは約10兆ウォンにのぼる。国民66.7%が公共の場所で他人の飲酒による暴力を恐れる。昨年、飲酒運転手のために若いユン・チャンホさんが犠牲になった。飲酒運転の処罰を強化する「ユン・チャンホ法」まで作られたが、立法に関与した国会議員や人気で暮らす有名芸能人まで酒に酔ってハンドルを握るのが現実だ。

週52時間勤務制が施行され、仕事後の時間を楽しむ文化が広がれば、アルコールの消費は自然に減るだろうが、飲酒文化の画期的な改善まで期待することは難しい。禁酒は成功することが難しくても、ドライ・ジャニュアリーのように少しずつ統制力を育てるのはどうだろうか。ふらつく酔っ払いが不思議に見え、子どもが走りまわる公園で酒宴を繰り広げる人々がいなくなる時、「ドライ・コリア」は成功できる。そうでなければ、ユン・チャンホ法は有名無実になるだろう。

酒を飲まなければ成功することが難しいという韓国式成功法則はもはや変わる時が来た。米国では酒一滴口にしない人でも大統領になる。禁酒を実践するトランプ米大統領は、「酒を飲めば私がどれほどめちゃくちゃになるか想像できるだろうか。世界最悪だろう」とジョークを言う。酒を飲んではいけない人がトランプ氏だけだろうか。


朴湧 parky@donga.com