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フィリピンの「コリアンデスク」、3年前の未解決事件を解決

フィリピンの「コリアンデスク」、3年前の未解決事件を解決

Posted July. 15, 2017 10:31,   

Updated July. 15, 2017 10:36

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2013年8月、フィリピン・セブ島でレストランを経営していたイムさん(当時43歳)が殺害されて発見された。3発の銃弾を受けていた。目撃者や証拠もなかった。地元警察は未解決事件で処理した。

昨年4月、セブ島のコリアンデスク(韓国人事件担当チーム)に派遣されたシム・ソンウォン警視は、韓国人関連の事件の資料からイムさんの事件を知った。そして周辺の聞き込みを行い、イムさんのレストランで働いていた従業員C容疑者(23)が殺害したという情報を入手した。地元警察は再び捜査に着手し、犯人逮捕に至った。

フィリピンのコリアンデスクは、海外同胞や韓国人旅行客を狙った殺人・誘拐事件を担当する。国内からフィリピンに逃走した海外逃走犯を逮捕することも重要な業務だ。2012年5月、ソ・スンファン警視正(40)が「第1号コリアンデスク」としてマニラに派遣され、フィリピンの警官2人と勤務したのが始まりだ。さらに2015年2月、韓国人に対する強力犯罪が頻繁に起きたアンヘレス地域に警官1人がさらに派遣された。昨年5月にセブ島カビテなどに4人が追加派遣され、現在6人が活動している。

フィリピンに滞在する韓国人は8万9000人にのぼる。海外滞在国中10番目に多い。しかし最近、毎年韓国人が約10人殺害されるほど治安が不安定な国家とされる。昨年は9人が死亡した。

警察庁は、コリアンデスクだけでなく、2015年から現場鑑識、犯罪分析、映像分析などの分野の専門の警官を現地に派遣している。韓国人に対する犯罪を本格的に解決するためだ。2016年4月の韓国人宣教師殺人事件の場合、防犯カメラの分析で有力容疑者を割り出して逮捕した。同年10月には、150億ウォン台の投資詐欺被害者が殺害された事件を指紋や血痕などの証拠を採取して解決に導いた。2016年にコリアンデスクと派遣警官が地元警察と協力して解決した殺人事件は7件中4件。フィリピン警察の殺人事件の容疑者検挙率が約6%であることを考えれば高い数字だ。

7700個の島で構成されたフィリピンは、「入国すれば身を隠せる」と考えられており、逃走犯の天国とされる。コリアンデスクは毎日のように現地の海外同胞に会い、フィリピン人にご馳走して情報を得る。昨年には、韓国で殺人を犯してフィリピンに逃走し、16年間、仮名を使って乞食暮らしをしていた逃走犯を逮捕した。2012年から2016年の間にフィリピンで逮捕されて送還された逃走犯は211人にのぼる。中国(180人)、タイ(135人)、米国(74人)を抜いて世界で最も多い。



朴訓祥 tigermask@donga.com