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[社説]北朝鮮の海外奴隷労働者が送る核開発資金の流れを断て

[社説]北朝鮮の海外奴隷労働者が送る核開発資金の流れを断て

Posted January. 15, 2016 07:56,   

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ロシアのウラジオストクで働いていた40代の北朝鮮労働者が、元旦の朝に焼身自殺した。ユーチューブの動画には、消防隊員が消火器を噴射し、焼け焦げた男性がうつ伏せになって動かない姿が映されている。

彼が残したハングルの遺書には、「つらい日常に疲れた。誰も恨まない」と書かれていた。人生の最後の瞬間に残した言語に胸が詰まる。どれほど生活に苦しくて、「疲れた」という言葉を遺書に残したのだろうか。「誰も恨まない」という言葉から、自分のために北朝鮮にいる家族が不利益を被らないか心配する心が伝わる。

北朝鮮は、1967年にロシア伐木労務者の派遣を始め、70年代にはアフリカ、91年からは中東、最近は東南アジア、モンゴル、欧州など全世界に労働者を派遣している。約17ヵ国5万人余りと推算される。このうち最も多い約2万人がロシアに派遣され、ウラジオストクには建設労働者が約2000人滞在している。昨年9月にベルギーのブリュッセルで開かれた北朝鮮人権討論会に出席した脱北者は、「冷暖房のない非衛生的な宿舎で、1日16時間の重労働で苦しんだ」とし、「作業を終えられず、1日18時間を超える日も多かった」と打ち明けた。

彼らは集団生活をし、保衛部の監視を受けて1日12〜16時間働き、休日は1ヵ月に1日か2日しかない。給料の大半は忠誠資金として送金し、残った金も中間管理者に上納金として召し上げられる。給料として1000ドルを受け取れば、120〜150ドルしか残らない。海外派遣労働者というよりも奴隷のような暮らしだ。

彼らが、北朝鮮政権の統治資金の口座に送金する金額が毎年5〜6億ドルにのぼる。金正恩(キム・ジョンウン)政権後、送金の額が増えたという。ジョージタウン大学のビクター・チャ教授は、4度目の核実験の直後、ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、「北朝鮮の海外労働者が奴隷労働で核開発の資金を送っている」とし、「中国やロシアを含めすべての国家が北朝鮮労働者を受け入れてはならない」と主張した。

北朝鮮の核実験後に国際社会が出す対北朝鮮制裁案に、核開発の金脈である北朝鮮海外労働者問題も含めなければならない。彼らの奴隷労働の実態を国連・国際労働機関(ILO)・国際刑事裁判所(ICC)に提起し、労働者を北朝鮮に追放するよう誘導すれば、人権問題の争点化と核開発資金を遮断する効果を同時に上げることができる。