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荒唐無稽な民主党、権限がないことを知りながら米政府にISD文書を要求

荒唐無稽な民主党、権限がないことを知りながら米政府にISD文書を要求

Posted November. 18, 2011 03:14,   

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野党民主党は、「投資家・国家訴訟制度(ISD)の廃棄・留保の再交渉を直ちに始めるという韓米両国の長官級以上の書面合意を受ける必要がある」と政府と与党に要求した。「韓米自由貿易協定(FTA)発効後3ヵ月内にISDの再協議に入る」という李明博(イ・ミョンバク)大統領の提案に対する逆提案だ。

しかし、言葉は逆提案であっても、実際には「しない」という主張だとする批判が多い。すでに韓米FTAを批准した米議会が再び批准するという保障がなくては、米政府はISD廃棄を単独で約束できない。にもかかわらず、その約束を文書で取り付けろと主張しているためだ。民主党指導部もこの点を十分に承知している。

●言葉だけ逆提案、実際は「しない」ということ?

金振杓(キム・ジンピョ)院内代表は17日、政策会議で、「ISDの廃棄や留保、修正、制度改善は、米議会との協議を経なければならない」と述べた。金院内代表は、米通商代表部(USTR)が、韓米両国が設立することを決めた「サービス投資委員会」の交渉対象にISDを含めることはできないと明らかにした与党ハンナラ党の黄祐呂(ファン・ウヨ)院内代表の発言も紹介した。

これに先立ち16日、李大統領の提案が出された後に開かれた最高委員会議で、朴柱宣(パク・ジュソン)最高委員は、「ISD条項の廃棄は、米政府の権限に属さないため(李大統領が提案した)再交渉(約束)は事実上不可能な話だ」と指摘した。

民主党の主張は、すべて事実関係が合っている。外交通商部(外交部)によると、ISD条項の再交渉は可能だが、廃棄は米議会の批准が必要となる。韓国国会の批准同意が終わった後なら、韓米両国がISDを廃棄することに合意し、これを両国議会が再び批准しなければならない。韓国国会の批准前に両国が廃棄することで合意しても、米議会の批准をまた経なければならない。つまり、民主党が理解しているように、ISD廃棄は米議会の権限であるため、米国政府の思いどおりに廃棄を前提とした再交渉の約束をすることはできないのだ。

民主党指導部は早くから、米議会がすでに韓米FTA協定を批准しており、ISD廃棄を含む再交渉は現実的に難しいという話をしてきた。金院内代表は9日、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「ISDを廃棄するということは、FTAを破棄することと同じだ」と述べた。さらに強硬派のリーダー格である鄭東泳(チョン・ドンヨン)最高委員は先月13日、国会外交通商統一委員会で、「米国の議会が韓米FTAを批准しており、民主党が要求した『10+2再再交渉案』のうち10(再再交渉の対象)はすでに『出発したバス』だ。水泡に帰した」と述べている。外交部関係者は、「民主党は韓米FTAをしないことが正しいんだ」と批判した。

●「長官党」の現住所

民主党は、議員87人のうち17人が長官(長官級含む)出身だ。議員5人に1人の割合(19.54%)なので、「長官党」と言っても差し支えない。大統領室や首相室の秘書室長・首席・秘書官・行政官(金東迵、文学振、文喜相、朴柱宣、白元宇、柳宣浩、李康來、田炳憲、鄭長善、洪永杓の10人)、次官(金鶴在、朴仙淑、卞在一の3人)まで合わせれば、国政を経験した議員は3人に1人の割合(34.48%)になる。

与党ハンナラ党は、議員数は169人にものぼるが、長官出身は8人(金章洙、朴熺太、劉正福、李在五、全在姫、鄭柄国、陳壽姫、崔鍫煥の4.7%)にすぎない。数字でなく人的資源の質で問うなら、民主党がはるかに優位にあるわけだ。にもかかわらず議員総会のような公式の席上で、「韓米FTAは、国益や国際化時代という現実を考慮して、避けられない」と公言する議員は康奉均(カン・ボンギュン)議員(元財政経済部長官)を除いて見当たらない。

特に、孫鶴圭(ソン・ハクキュ)代表は、保健福祉部長官を務め、京畿(キョンギ)知事時代に「FTA伝導師」と呼ばれたが、今は交渉派議員の「仲裁案」署名作業を中断させるなど、党内強硬の流れを主導している。鄭東泳(チョン・ドンヨン)最高委員は、韓米FTA交渉初期、統一部長官兼国家安全保障会議(NSC)常任議長だったが、最近、連日「韓米FTAは、韓国を米国の51番目の州にする」、「議事堂を取り囲むために、国民4800人が国会に来て下さい」と扇動的な発言をしている。

孫代表や鄭最高委員がFTAに反対するのは、ただ民主労働党との統合ないしは連帯に死活をかけているためだ。両者は、来年の大統領候補選挙戦の参加意思を表明している。しかし、10年間与党だった87議席の民主党が、国家全体の問題を政派的な利益の下に置いて、6議席の民主労働党の言いなりになる態度は、果たして政権を担う能力と資格があるのか疑問を抱かせる。ある元長官の交渉派議員は、「党の看板人物が理念や個人的利益に埋没していると、党の外の安哲秀(アン・チョルス、ソウル大学融合科学技術大学院長)が浮上することになる」とし、「党の路線を合理的に正してこそ、民主党を政権代案勢力として考える国民も増えるだろう」と指摘した。



jin0619@donga.com zeitung@donga.com