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スティーブン・ホーキング博士「宇宙は神が設計していない、自己創造するのみ」

スティーブン・ホーキング博士「宇宙は神が設計していない、自己創造するのみ」

Posted September. 03, 2010 03:05,   

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「現代の物理学は、宇宙の創造において神の場所を与えない」

英国の世界的な物理学者スティーブン・ホーキング博士は、ダーウィンが生物学で創造主の必要性を排除したように、新しい物理学理論が宇宙のための創造主の役割を不必要なものにしたと主張した。

英紙タイムズが発行する科学月刊誌「エウレカ」は2日、近く出版されるホーキング博士の著書『グランド・デザイン(The Grand Design)』の一部を抜粋し、掲載した。創造論者の知的デザイン(Intellectual Design)を念頭に置いたタイトルの同書で、ホーキング博士は、「宇宙には創造主が必要か」という問いを投げかけ、「ノー」と答えた。

ホーキング博士によると、ビッグバンは物理学的法則の避けられない結果であり、神の手や偶然によって説明できるものではない。ホーキング博士は、「重力の法則があるため、宇宙は無から自らを創造でき、これからもそうするだろう。このような自発的な創造が、無ではない有、すなわち、宇宙と人間が存在することになった理由だ」と強調した。ホーキング博士は、「紙に火をつけ、宇宙を爆発させる神を呼ぶ必要はない」と付け加えた。

新刊書の内容は、ホーキング博士が以前、宗教について表明した見解から外れていない。ホーキング博士は、88年のベストセラー『ホーキング、宇宙を語る』という著書で、創造主の神が宇宙に対する科学的な説明と両立できないわけではない、というニュアンスを漂わせた。ホーキング博士は当時、著書で、「人間が完璧な理論を発見できるなら、その理論は人間の理性の最後の勝利になるだろう。その時、人間は神の心を知ることになるだろう」と書いた。

しかし、ホーキング博士は、米国の物理学者レナード・ムロディナウとの共著で、9日出版の新刊書で、「宇宙は混沌(chaos)から生まれるのではなく、神によって創造されたに違いない」というニュートンの信念を打ち砕く。ホーキング博士は、「最初の一撃は92年、太陽とは違う星を回っている惑星が、観測されたことだ。これにより、地球という惑星が持っている条件の絶妙な一致、つまり一つの太陽、そして、太陽から地球までの距離と太陽の質量の運の良い結合という条件が、地球が人間のためにデザインされたという証拠としては、過去よりも重要ではなくなった」と主張した。さらに「地球のような惑星だけでなく、別の宇宙も存在する可能性がある」と強調した。

『神は妄想である』という本を書き、無神論を擁護した進化生物学者のリチャード・ドーキンスは、同書の内容を単に自然の中に生きている人間だけでなく、まさにその自然のためのダーウィン主義で描写し、出版を歓迎した。ドーキンスは、「私は、物理学の詳しい内容をよく知らないが、私も(ホーキング博士と)全く同じことを仮定してきた」と話した。

ホーキング博士は、物理学が全ての理論、自然の全ての特性を完全に説明できる一つの枠組みを構成する時に至っていると見通した。そのような理論は、アインシュタイン以来、すべての物理学者が追求してきた聖杯だったが、これまで原子以下の世界を説明する量子理論と重力理論を和解させることができなかった。ホーキング博士は、「一種のひも理論(string theory)であるM理論が、この目標を果たすだろう。M理論は、アインシュタインが発見しようとした統一理論だ」と主張した。



pisong@donga.com