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[オピニオン]「胡錦濤トキ」

Posted July. 31, 2008 03:17,   

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「見えるようで見えない/ターア、グァー、トキの声、切ない泣き声…」。1925年、東亜(トンア)日報の新春文芸の当選作である韓晶東(ハン・ジョンドン)の詩に、尹克榮(ユン・グクヨン)が曲をつけた童謡「トキ」の一小節だ。天然記念物198号であるトキは、1979年以来、朝鮮半島で観察されていないため、絶滅したものと推定されている世界的な貴重鳥だ。この珍しい鳥がそのうち見られそうだ。5月訪韓していた中国の胡錦濤国家主席の約束とおり、10月はじめ韓国に寄贈されるからだ。国際自然保護連盟の絶滅危惧(Threatened)種として、レッドリストに掲載されたトキは、中国も国鳥として位置づけるほど大切に考えている。

◆韓国に来るトキは、慶尚南道昌寧郡(キョンサンナムド・チャンニョングン)牛浦(ウポ)沼に巣を作ることになる。慶尚南道は、湿地保護のための「ラムサール条約」の締約国会議(10月28日〜11月4日)以前に届くものとみて、トキの生息地になる「修復センター」工事に拍車をかけている。貴重なお客の健康のため、牛浦沼と周辺のクリーン地域作りにも、積極的に取り組んでいる。牛浦沼の近くにいた農家6世帯を移転させており、周辺地域の農民らとは低農薬・無農薬農業拡大策を話し合っているところだ。それでも慶尚南道は安心することができず、中国側に「専門家2人を韓国に派遣してもらい、当分の間、トキの世話をしてほしい」という要請までしている。

◆トキを空輸する手続も、簡単なものではない。対象を選定する手続きから厄介だ。2倍数のトキを選び、検疫をするものの、病気が発見されれば、他の鳥を選定し、最初から手続をやり直す。一回の検疫に21日かかるそうだ。輸送する際も、飼育士と鳥類専門家が必ず付き添い、トキの世話をしなければならないという中国の条件を受け、専用の輸送機を利用する方針も視野に入れている。トキの楽な旅行を担保する特殊な箱は、中国の専門家らが製作する。

◆中国のトキ寄贈は、すでに日本で実現していた。日本は1999年江沢民国家主席がプレゼントしたトキ2羽を100羽余りに増やし、今年秋に自然に放す計画だ。牛浦沼に「トキ学校」を作った環境運動家の李インシク氏は、牛浦沼の環境が中国と日本のトキの繁殖地に勝るとも劣らないと評価する。胡錦濤主席が寄贈するトキをきちんと育て、われわれも10年後大家族に増殖した世界的な貴重鳥を思う存分見られることを期待している。

方炯南(パン・ヒョンナム)論説委員 hnbhang@donga.com